とも人のおまつりの主催メンバーから出演依頼が例年3月ごろにやってくる。
貰ったフライヤーをアースディで配るのが今までの流れだったが、今回の連絡は違った。
今年は開催地である高坂自然休暇村が閉鎖されたためお祭りそのものの開催が窮地に立たされているという連絡だった。
キャンプブームの中でキャンプ場そのものを借りてイベントを催すのもかなり困難だろう。
毎年来てもらっていたのに準備が出来なくて申し訳ないと謝罪され困惑した。
むしろおんぶにだっこで出させてもらっている手前、何も手伝いできない我が身の弱さに辟易した。
前回のとも人のおまつりの打ち上げの時に、「10年目の区切りとして一度イベントを終わらせる」という話を聞いていた。
だから尚更だった。
そして、今回はイベントという形をとらず、『打ち上げ』という形で主催者だけで集まって遊ぼうという事になり、お誘いを受けすぐに快諾した。
場所は広島県府中町にある諸田サンスポーツランドにあるオートキャンプ場だ。
主催者の本拠地が尾道という事、とも人のおまつりの開催地近隣。
そういう事でいろいろ探した結果ここに辿り着いたらしい。
まさか此処になるとは・・・。
何か縁深いものを感じざるを得ない。
とも人のおまつりで広島ポイ部の演舞を見に来ていた太鼓ユニット『我龍』のリーダーにスカウトされ、初めて一緒にステージに立たせて貰った、広島ポイ部としては非常に思い出深い場所だ。
メインステージから遠く離れた湖畔の一角にともびとの集落が出来ていた。
ステージから流れる音楽も会場の中心となる焚火もないが、空気感はとも人のお祭りそのものだった。
九州で開催されている超大型野外イベント『虹の子祭り』。
かつて『虹の岬祭り』としてやっていたイベントも名前を変えて盛大になっており、とも人おまつりで出逢った踊り子・牧瀬茜さんも『虹の子祭り』に出演の予定だった。
そちらに行かないと逢えないかなと思ったらなんと、当キャンプ場にいた!
九州に向かう道中で立ち寄ったらしい。
すぐに九州に発ったが、わずかな間でも時間を共有できてよかった。
彼らの陣地の隣にテントを立てる。
一人用のテントから始まったキャンプスタイルも、いつの間にか重装備になった。
せっかくなので俺だけでなく広島ポイ部のメンバーにも呼びかけた。
ファイヤーパフォーマンスチーム不知火時代からの盟友ケインが到着。
彼の一人用テントは俺が餞別に与えたツーリングテントだ。
生れてはじめて手に入れたテントで15年以上前くらいになるんじゃないかな?
大切使ってくれている様でなによりだ。
陽が沈むころ。集まったメンバーで乾杯。
場所や形は違えども、とも人のおまつりには変わりなかった。
生活の中心に火を焚いて。
食べ物をシェアして、夜通し飲み明かす。
やっていることはいつものとも人のお祭りと一緒。
二日目には広島ポイ部からA☆Pさん、こうきくん、岡君の後詰め。
広島ポイ部のブースの完成だ。
ゆっくりとした時間の中、飲んだり食べたり遊んだり。
流石に無許可で火を使うのはまずいので、LEDポイで遊ぶ。
今度は火をつけてやりたいね。
今夜は新月。星が綺麗だ。
『始まりがあれば終わりがあるように』
ここで終わりを迎えただけなのだ。
そして新しい始まりの道を進む。
元の更地になった陣地の中央で、一本締めをして幕を閉じた。
始まりの合図ともいえる。
何時、何処で逢おうという約束はしていない。
さぁ。いくか。