まだ、通っていないルートが隠されている。
再び塔の岡ルートを登り、沢ルートへと突き進んでいく。
木に刻まれた「B」と「C」の文字。
前回は「B」と刻まれたルートを進んだので今回は「C」と刻まれたルートを進む。
「B」コースほどではないが、急な岩場を進み、岩の頂上へと到着した。
「A」が何処かへあるはず。
岩の周りを散策していると、登ってこれるルートを発見。
かなりの急斜面、いや絶壁だ。
残置されたロープがあるのでわかりやすいが、下からの取りつきが何処かを知るためそのルートを降下していく。
降下した先は凄い藪の中・・・。
と、その時こちらに近づいてくる人影が・・・。
挨拶をすると、相手のおじいさんは驚いた様子。
「ここはなんというルートですか?」
そう尋ねると、
「あまり公になっていないがAというコース。そもそもこのルートを歩いていて人に合うのは初めてだ。」
と。
どうやら当たりだったようだ。
なんでも岩好きのこのおじいさんが自らの為に開拓したコースのようで、低山の散策で来る初心者にとっては危険度が高いために「A」のルートは秘匿しているようで、あくまで自己責任で楽しんでくれとの事だった。このルートを登っているのはこのおじいさんだけの様子。
毎日この「A」と「B」を交互で登っているそうだ。
このルートの取りつき部を知りたいために高度を下げている事、ルートを確認したら再び「A」を登り返すことを伝え、その場を別れた。
沢の合流まで降下。ただ藪に道が覆われており、次回「A」を狙って登れるかは不安がある。
再び元来た道を折り返し「A」を登って行く。
直登よりもすごい急。むしろ壁だ。
いたるところにロープが設置されているので、どうにもならないわけではないが、恐らくルート取りつきの藪漕ぎと合わせると過酷度が一番高いルートかもしれない。よくこんなルートを開拓したわ。
山頂へ到着する直前に先ほど出逢ったおじいさんと再会。
「あのルートを見つけて登ったのはあんた初めてかもしれんね」
「噂で聞いたことがあったので少し探検したんですよ」
「わしは直登を1000回登った。今はあのルートを1000回登るのを目指して毎日登山している。また、遊びにきんさい。」
・・・60代後半くらいだろうか。何ともパワフルな御仁だ。
山頂で休憩後、いつもの塚原コースで下山。
下山したところで、先ほどのおじいさんが自転車に乗って帰宅している後姿を見た。
いやはや。まいったねぇ。
世の中にはすごい人はたくさんいるもんだ。
往路:塔の岡沢ルート
Cコースでピーク到達後Aコースで降下、再びAコースを登り返し右田ヶ岳山頂へ。
時間:1時間42分
復路:塚原コース 40分
B,Cコース分岐点及びその後のコースはピンクマークが頻繁に設置されているので比較的明確。
ただAコースに関しては分岐が明確ではなく、取りつきに難あり。
分岐後はところどころにピンクマークはあるもののほぼ藪漕ぎ状態なので、初心者、中級者は極端に難易度が高くなりすぎると思われる。
個人的にも下から登った時に同じルートを辿れるかは自信が無い。
藪漕ぎ、急斜面、岩登り・・・。
立ち入る際はあくまで自己責任であることを肝に銘じておこう。
乗せている地図もあくまで俺個人のロギングでありあまり参考になさらぬようお願いします。