一の森を目指す。
濃い霧は晴れる気配はなさそうだ。
樹林帯に入ると湿り気を帯びた森の中。
人の気配も少なく、非常に静かな雰囲気が流れていた。
朽ちて倒れた木々に、新たな命が宿る。
そんな自然の流れを垣間見える風景だった。
剣山から約1時間ほど。
多少のアップタウンを繰り返し、となりの一の森のピークへと到着する。
山頂は遮るものが無かったので、おそらく晴れていると360度の大パノラマなのだろう。
山頂を早々と後にして一の森ヒュッテへ。
営業はしているようだが、剣山のような賑わいは無かった。
霧に包まれた参道を進む。
斜面をトラバースする山道は気を抜くと滑って滑落しそうなポイントが何カ所かあった。
地面も濡れているので慎重な足運びで進む。
静かな山道は濃い霧に包まれどこか不気味さがある。
森には風になびき、樹雨がパラパラと落ちる音だけが響いている。
紅葉はやはり終わりを迎えているようだ。
源流の滝を越える。
ここから再び剣山の山頂へと向かう。
道中、かつての行場があるようだったので、その道を通ることにした。
せっかくなので霊験あらたかな鎖場を通るもの武者修行らしくて良いだろう。
石鎚山ほどではないが立派な鎖が岩に掛けられている。
濡れた岩場に注意しながら慎重に鎖場を登る。
なかなか高さのある場所だ。
剣山山頂ヒュッテの真下に取りついた。
リフト乗り場からも複数本登山道があるようだし、縦走路もたくさんあるようで、なかなか面白い。
再び剣山山頂へ到着。
先程比べ登山客が増えて賑わっている様子だった。
しかし、晴れる様子は全く無さそう。
やれやれ。
さて、約束していた山頂広場で合流してゆっくりするというのはかなり困難な様子。
一度山頂ヒュッテまで戻って様子を伺うか。