蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

山行記 剣山 ③ 口福

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山頂周辺の木道を散歩していると、一瞬だけ青空が見えた。

午後からは期待できそうだと思った矢先、再び辺りは濃霧に包まれた。

いいねぇ。この感覚。遊ばれているわ。

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それでも登山客が多いのはこの山の素晴らしさがあるからだろう。

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方位板を見ながら、霧の奥にある風景に想いを馳せる。

きっと晴れていたのならば、遠く四国の山脈を望めたのだろうか。

2000m近い山で、遮るものが無かったならそうに違いないだろう。

木道周辺には遊山黒子衆らしき人物の姿は見当たらなかった。

山頂ヒュッテでごそごそしているという話をしていたので再び山頂ヒュッテへと戻る。

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山頂の本宮では注連縄奉納の儀式が執り行われ、参列者が祝詞をあげていた。

なかなかいいタイミングに出会えたようだ。ありがたや。ありがたや。

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一度山頂ヒュッテの中を覗いたが、寒さに耐えかねた沢山の登山客が温かい食べ物を購入して食べていた。今は物を買う事もないまま、狭い山荘内で突っ立っておくのも邪魔になって悪いので店内の様子を伺うだけにとどめ山荘を出た。

中にそれらしい人はいなかったなぁ。登ってきている最中かもしれない。

一応山頂は携帯電話の電波は届くので、山荘の前のベンチに座って待っているとメールを送った。

とりあえず体を温めようと、最近嵌ったコーンポタージュを作る為にお湯を沸かしていると、山荘から勢いよく一人の男性が飛び出してきた。

黄色いウェア、頭にはハット、赤いザック。その姿を彼らに事前伝えていたこともあって、一目散にこちらを指さしながら歩み寄ってくる。

「遊山黒子衆の河童です!」

「初めまして!DAISUKEです!!」

お互い『お~!!』と歓声を上げながら握手を交わした。

「ハグしよう!ハグ!!」

「こっちはもうビール飲んどるがよ!」

河童さんは、ブログで拝見させてもらったイメージとは違い、だいぶワイルドなオジサマだった。

お互い強くハグし合った。右田ヶ岳でお世話になったShironamakoさんや、相方のS君ともそうだったのだが、山頂で出逢った瞬間の感動は言葉では言い表せないものがある。

その後、河童さんの奥様、河童さんの師匠?である和宏さん。そして山猫さんと自己紹介と握手を交わした。

遊山黒子衆、そうそうたるメンバーでのお出迎え。感動しました。

和宏さんがお湯を沸かしている姿をみて、

「何しちゅうがよ?」と土佐弁で話しかけてくる。自分自身九州弁、瀬戸内弁と流れてきたが、初めて聞く方言だ。

お湯を温めてコーンポタージュでも作ろうとしていた旨を伝えると。

「そんなんやったらいかんよ」

「こっちこっち、準備しちゅうき」と連れて行かれる。

 

 

 

 

遊山黒子衆との口福の時間が始まる。

和宏さんと山猫さんが手際よく準備を始める。

長らく氏のブログを拝見させてもらっていたが、そのブログの内容が目の前で展開される。

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和宏さんはソトのストーブで豚汁。

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山猫さんはMSRのドラゴンフライで肉野菜炒めと海老団子。

これが、有名な山猫亭の料理か!!

いままで袋ラーメンが主食となっていた山飯に革命が起きた。

華麗にドラゴンフライに火をつけて使いこなす山猫さんに惚れたのはここだけの話。

え~俺、ガソリンバーナー持ってるけどそこまで格好よく扱いきれんわ~。

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土佐流のおもてなし。御見それいたしました。

 

色々な話をした。

乾杯をして、

山のこと、

写真のこと、

料理のこと、

お互いのこと、

自然のこと、

遊びのこと、

 

山に限らず、アウトドアでこんなに美味しいものを腹いっぱい食ったのはたぶん初めて。

 

短い時間だったかもしれないが、ここでは書きつくせないことを話した。

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これを『口福』と言わずしてなんと言うか。