春は新緑、秋は紅葉。
色に恵まれている山域だが、訪れるのは今回が二回目。
三俣山の紅葉が非常に印象的だったのと、その頃から紅葉情報を探っていると比婆山の情報が入ってきていた。
すでに紅葉の情報が入っている中で、少し遅れての時期に入山。麓の県民の森は色づき始めていた。
入山は白樺が美しいとされる牛曳山から入山。
麓のエリアは見ごろの後期。白樺の白い幹と紅葉のコントラストがとても美しかった。
ここで見頃という事は、山域全体でいうと見頃を過ぎている可能性が強かった。
北西の風が強く吹く。
標高を上げるにつれて彩が薄くなってくる。
展望のない牛曳山山頂を越え、毛無山への縦走。
先程の牛曳山からの縦走路を望む。
木枯らしに吹かれた木々が目立つ。タイミングが良かったら一面が紅葉になるそうだ。
惜しかったなぁ。
毛無山に到着。
風が強い。そして雲が流れてくる。低気圧の前線近いものの東へ抜けるはずなので、大荒れは無い。しかしすっきりと晴れたようにはならないだろう。
さぁ。隣の烏帽子山へ。山域は色付いていた痕跡だけは見て取れた。
あと1週間早ければと悔やまれる。
まぁそれも仕方ないさ。
僅かに彩りが残る山道を進む。
烏帽子山山頂へ到着。
烏帽子山にある条溝岩。
自然の摂理でできたのか人工的に削られているのかは不明。
中央の溝は比婆山山頂を指している。
何かの儀式に使われたのではと考えられている。
眼前に見える比婆山が雲に包まれていた。
あらら。まぁ、いいか。
比婆山山頂は木々に覆われた平坦地。展望は期待していない。
風は強く雲は厚いが土砂降りになることは無いだろう。
参道は落ち葉でフカフカのクッションのような状態になっていた。
一度目は春先に訪れたが新緑にはまだ早く、今回は紅葉を過ぎていた。
タイミング悪かったなぁ。
ピークの時に来たらどんな風景だろうか。
牛曳山の白樺と鮮やかな紅葉の風景が見れただけでも良しとするか。
焦がれた風景を後に、比婆山山頂を目指す。
比婆山は別名『御陵』という名を冠している。
「故神避りましし伊邪那美命は出雲国と伯伎国との境 比婆の山に葬しまつりき」と古事記に記されており、この山頂には神話の国生みの神イザナミノミコトが眠っているそうな。
比婆山のご神体ともいえる大岩周辺は神域とされ、立ち入り禁止にされている。
巨大な栂(つが)の木が門のように立ちはだかる。
その奥には7本のイチイの木に囲まれた巨石。
伝説ではこの岩はイザナミノミコトの墓陵とされている。
岩を中心にイチイの木が守護するように生えている姿は何処か不思議なものを感じる。
たいそうな伝説をうたう割には、特に観光地化されているわけでもないし、絢爛豪華なお社があるわけでもない場所。
杭と鎖で周辺は立ち入り禁止にされており、案内板がないと一見何ら変哲もない風景。
神域・聖域と言われもてはやされて人工的なるよりは、自然の中に溶け込んで苔生す姿の方が美しいのかもしれない。
しばしの間、神域とされる場所の前でゆっくりと過ごした。
紅葉散策目的だったので、比婆山御陵以降の縦走を止めて下山の途につく。
杉林に包まれた静かな山道を下る。
管理センター近くの紅葉は丁度良い感じ。
振り返って、渡り歩いてきた稜線を眺める。
あ~。本当にあと1週間早かったらなぁ。
それでも、縦走は楽しい。
三俣山と続きしっかりと歩けたわ。
ルート:県民の森から
牛曳山(1144m)
伊良谷山(1148.9m)
毛無山(1143m)
ききょうが丘(1071m)
烏帽子山(1225.1m)
比婆山(1267m)を縦走。
コース時間:5時間
沿線距離:14.54km
前回と同様のコース。ルートを間違わなかったことと、前回と比べ体力的に強化されたこともあってか、コースタイムは短くなっていた。
池の段、立烏帽子山の縦走も考えたが、紅葉などの見どころが期待できないと判断した。
ガッツリ縦走目的だったら、南東の竜王山まで行けそう。
夜明けとともに登山開始したこともあって下山は丁度12時に下山。
山域で昼食はとらず、県民の森の高級レストランでお高いカレーを頂きました。
真夏はつらそうだなぁ。
新緑5月後半。
紅葉10月後半。
見どころはこの時期か。
ルートは短いが隣の吾妻山も景色が良さそうで気になる。
せっかくの遠征なのでしっかり歩きたいというのもあるけれど・・・。