西日本最大級の芝生の公園。
夜の帳が訪れる。
轟音と共に大きな物体がゆっくりと膨らみ始める。
それは大きく膨らみ、陽が沈んだ黄昏の空に黒い影を映し出した。
そして、その黒い物体は轟炎に照らされて明るく輝きだした。
気球を間近で見るのも初めてだし、夜に輝く気球というのも初めて見た。
熱を帯びた気球はゆっくりと、そして静かに夜の空に浮かび上がる。
山口ゆめ花博のメインイベントの一つ『夢のたね』。
半年にわたり県内の人々に書いてもらった光る『夢のたね』を一斉に撒くというイベント。
降り注ぐ光には、それを書いた人のゆめが綴られているんだそうな。
その数は1万人以上。
優しい音楽と共に、輝く小さな『夢のたね』が夜空を舞う気球から降り注いでくる。
きらきらと舞い落ちる沢山の『夢のたね』に会場は盛大な盛り上がりを見せていた。
降り注ぐ1万の光の種。
イベント終了後には、会場の大草原に落ちた夢を受け継ぐという意味で、観客に配られた。
一人ひとつ。家族分で3つほど小さく光る『ゆめの種』を頂いた。
子供の字で、『科学者になりたい』『じゅういになりたい』『スイミングで速く泳げるようになりたい』など彼らにとっての未来への夢が掛かれていた。
久々に珍しいものを見たな。
本来仕事でこのイベントには行けない予定だったのが、台風の影響で順延になり休みと重なったので、本当にタイミングに恵まれた。
とても美しい夜だった。
持って帰った『ゆめの種』。
中にはボタン電池搭載のLEDユニットが仕込まれていた。
よく祭りで見る使い捨てのケミカルライト系かと思っていたが、意外にしっかりしているつくりで驚いた。
まぁ、ケミカルライトじゃあの発光量は出ないんで、綺麗に目立たせようと思ったらそうなるんだけど・・・。
LEDユニットはスイッチのON、OFFが出来るので点灯しっぱなしの使い捨てではない模様。改造して何かに使ってみよう。
・・・つーか、これ、イベントの直前に1万個も人の手でONさせて光らせていったわけ?