蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

山行記 東鳳翩山 雨中行

紅葉を見に山口県の奥地へ登山をしようと相方のS君と計画をしていたのだが生憎の天気。
よりによって週末の度に天気が崩れる。
幸いにも台風の影響は少ないものの、山行の時間帯はずっと雨の模様。
せっかく予定を合わせていたのにキャンセルするのは勿体ないという事でお互い登り馴れている東鳳翩山へ足を運んだ。
S君が東京のパタゴニアで『レッドビーンチリ』というお湯で戻す食料を仕入れたそうで、それを食べようという話から、雨の中の歩行訓練を兼ねて登山を開始した。

雨は小雨程度。
麓では風は無いものの、開けたところに出ると北からの風が吹いているはずだ。

東鳳翩山の二つ堂コースであれば道幅も広く綺麗な上、樹林帯を歩くことになるので道中は雨風の影響は比較的少なく済んだ。
そもそも雨の中の登山経験がないので一時はどうなるかと不安もあったが、意外にも大したことが無くて良かった。


しかし、ゴアテックス製のレインウェアとはいえ蒸れて暑い。
もう所有して8年ほどたっているレインウェアも撥水能力が衰えてきていた。
内側のコーティングも加水分解か剥がれてきているし・・・。

最後の階段を登り、

山頂へ到着。
雲の中なので展望は得られず。

西側へ下った広場で少し早目の昼食の準備。
今日の目的はこのパタゴニア『レッドビーンチリ』を食すことにある。

書かれている文字は全部英語で、なんだかとっても意識高い系。

雨と風対策で久々のライトタープ・ペンタの出番だ。

封を開けるとスパイシーな香辛料の香り。もう食欲をそそる匂いだ。

お湯で戻す間、ペンタの下でのんびり休憩。

ビーンが膨らんでそろそろ食べ時の様子。

・・・まぁ、見た目はともかく取り敢えず食す。
S君はフランスパンに乗っけて食べることにえらい執着をしていたが、道中のコンビニでそんなオシャンティなものは無く、ちょっと高めの食パンで我慢。
食パンをこのパタゴニアの『レッドビーンチリ』に浸し、食す。
ぬ?
食す?
むむっ?
食す??
・・・・・・・・。



・・・・味びみょーー。
辛辣に言わせてもらうならば、マズっ。(これはあくまでも二人の感想です。)
甘くないぜんざい?
遠−−−−くに、わずかーーーなピリ辛
まぁビーン(豆)そのものの素材の味はする。

開封時のあのスパイシーな香辛料何処飛んでった?出来るなら戻ってこい!
なんだろう。
もっとスパイシーなふーふーしながらホフホフ食べるイメージを持っていたのだが・・・。
なんだろう、コレ。


あの開封前の『オシャンティ!』『インスタ蝿!!』とキャッキャしていたテンションは180度変わり、ダダ下がりだ。
『動物性食材、乳製品を使わず・・・。自然由来で云々・・・健康がどうとかこうとか・・・。』
そうか、これが・・・。


S君は、「俺、絶対ベジタリアン無理やわ。肉入れるか焼肉のタレぶっこみたい。」
お陰で、パンに載せたレッドビーンチリの写真はおろか食事中の写真は一枚も無い始末。
直前のS君の楽しそうな笑顔の写真があったが、その数分後にお通夜になるとはだれも思うまい。
仮にこれが食パンではなく、こだわりのフランスパンだったとしても事態は好転することは無かっただろう。


台風接近のクソ雨の中、風雨に晒されてクソまずいパタゴニア『レッドビーンチリ』を食すという最悪の結果に陥ってしまった状況でさらにテンションは180度廻り、何故かハイになっていた。
説明文に『お好みに合わせてチーズをいれ・・・』
「こいつ、途中でチューンが必要なんや!そんなシャレオツなモン、持ってくるかいや!」
「焼肉のタレぶっこむしかない!が、再トライする気力は無い。」
「くそう。想定していたシナリオの中で一番最悪のパターンや!!』
「もう次から国産のもので、日本人用にチューンされた奴にしようや。」
下らない事で雨の中、男二人がはしゃいでいた・・・。

食後はタープの下でコーヒータイム。
雨の日でも、タープで風雨がしのげるとゆっくりと過ごすことが出来るね。
想ったよりも長く滞在していた。
小雨の中、タープの下でボーっとするのも悪くない。



道中すれ違う人が数名居た。
こんな雨の日に登山なんて酔狂なことだ。


きっと一人ではやっていなかったかもしれないが、気の合う山友がいると意外と雨の日でも楽しい。


往路:1時間15分
復路:55分



雨を想定するならば小型タープは秀逸なまでの能力を発揮した。

もともとキャンプ時のテント前室として使ったり、蚊帳を吊り下げてライトキャンプで使っていたライトタープ・ペンタ。
最近はめっきりキャンプしなくなっており、タンスの肥やしになっていた。
今回雨の中での登山という事で、登山でも上手く使えそうだったので持って行ったが何気に良かった。(あまりひどい雨ではなかったというのもあるが・・・。)
設計的に登山用ではないので、790gという重量は若干嵩張るが日帰り程度の山行であれば許容範囲。
登山用として設計されている方は全く同じ大きさながら軽さが約半分になるが値段が倍近く上がるので今更買い替えるわけもない。

敷物は、モンベルの2人用テントのグラウンドシートを代わりに使っている。
軽量で掌に収まるくらいの大きさ。
単純に敷物としてザックに常駐させておいても良いくらいだ。





帰りは、徳地にある「徳地とりたまの里」でたまごかけごはんを腹いっぱいになるまで喰らってやった。