蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録 春のロングツーリング編 砂の大地の章 2

日の出と共に目を覚ます。
人間の体は非常によくできていて、太陽の光を浴びると自動的に睡眠から目を覚ますのだ。
携帯電話は電池切れをおこし、アラームはなっていないが、バイクの時計を見ると普段目を覚ます時間よりもずいぶんと早い目覚めだった。


朝食はカップラーメン。食材を現地で調達しようとしたが、スーパーが見当たらず断念。
キャンプ場の売店で購入したものでしのいだ。やっぱ非常食的なものは用意しておくべきだった。そうそうにキャンプ道具をしまい、出発。

昨日通った大山の外周を走り出す。朝起きた時から天気はぐずついていて、気温も低い。
標高を上げるにつれ、気温はどんどん下がっていく。
登山口では3度だ。5月になろうかというのに冬だよ・・・。
当然ながら、雲の中。雨がぱらぱらと降りだすわ、やたらと寒いわ、大山はみえないわであきらめて下山ルート。
標高が低くなると、次第に雨もやみ、気温も上がってきた。空にはうっすら青空。
振り返ってみた山は雲に覆われていた。標高差ってすごいね。
今まであの雲の中を走ってきてたんだ。


そして向かうは、『植田正治写真美術館』。

今回訪れるのは2回目で、こちら方面へ来た時には必ず寄ろうと決めているところ。
有名で評価の高い写真家で、俺はその作風がとても大好きだ。
すでに2000年に亡くなられている方なのだが、今もこうして彼の作品を彼の美術館で伺うことができる。
非常に遊び心をもっていて、写真を撮影することを楽しんでいるのが伝わる作品が多い。
そんな彼の美術館はやっぱり面白い。



変な形の美術館だし、対象かと思えば、非対称。
カメラを持って遊んでくれと言わんばかりだ。
遊び心・・・。最近カメラで撮影はしても、あまり遊んではないなぁ。
この旅が終わったら、もう少し気楽に遊んでみよう。
フィルムと違って、かなり柔軟に遊べると思うんだけどね。




海岸線に沿う国道9号線。目指すは鳥取

海岸線に沿う国道は一直線で、道には隣接して風力発電が沢山並んでいた。
ここは風が強い。

そして波が高い。おとなしい瀬戸内の海を見慣れている俺にとっては、荒々しい海に見える。
激しい潮風の洗礼を受け、ひたすらに砂の大地へと目指していく・・・。