雪山登山のトレーニングがてら深入山を目指したが、今年は雪に恵まれていないようで、前回登った時よりもさらに雪が少なく、とても雪山を楽しむというような様相ではなかった。
しっかりとした雪を堪能したいところもあったので、さらに奥にある恐羅漢山へと目標を切り替えた。
恐羅漢山は広島県では有名なスキー場の一つで、道中の掲示板には積雪80㎝とあったので期待が出来た。
セラピーロードにもなっている恐羅漢山。春夏に来ると緑豊かな場所だ。
天然のブナ林は美しいらしい。
今回のルートは山頂までは緩やかな傾斜が続き、豪雪直後でもない限りは比較的安全と判断。
雪質も締まっていてかなり歩きやすい状態だ。
橋の上に積もった雪を見てみるとそこそこ積雪はあるようだ。
パウダースノーならツボ足になってきつくなるところだが、すでにトレースが付いており埋まることなくサクサク進めた。
このくらいならアイゼンなどの装備は必要ないが、トレーニングのつもりでアイゼンを装備して進んだ。
何気にこのアイゼンを足につけるだけでも負担が増す。
もう少し雪深ければスノーシューか。
高原の平坦な道を進み本格的に恐羅漢山への登りとなる。
天候は曇り。予報では雨や雪が降り出すことは無い。
道中薄く霧に覆われることがあったが、視界を失うことは無かった。
晴れて気温が高かったら木々が凍り付いている様を見ることが出来なかったかもしれない。
こんなに刺々しく凍り付いている状態を見るのは初めて。
急登がない分歩きやすいものの、山頂までの距離が長い。
雪で覆われた風景を楽しみながら山頂を目指す。
標高が高くなるにしたがい木々につく霧氷も荒々しさを増す。
綺麗な雪景色。
音のない静かな山道を進む。
積雪は多い。だが、固まっていることもあってかツボ足になることは無かった。もっとフカフカのイメージだったが、そうでもない。
例年通りの冬であれば、きっとスノーシューが面白いだろうな。
いや、ラッセルになったら地獄だろう。
途中バックカントリースキーを楽しむ人たちとすれ違った。
滑りながら下りるから楽だろうな。
下界からはスキー場から流れてくる音楽や放送が聴こえてきた。
山頂標識裏の目盛を見てみると積雪は80cm。
例年通りの冬だったらどれくらいになろうか。
ほとんどこの標識が隠れるくらいの積雪はあるらしいし、スノーモンスター(木が雪に完全に覆われた状態)が見れるらしい。
またいつか雪が多い日に期待しよう。
ガイドブックにはこの目の前に三角点がある筈だが、埋まって見つからず。
曇空、山頂は雲の中。視界は開けているがなにも眺望できなかった。
下山は山頂直下にあるスキー場ゲレンデを下る。
いや~。ヒップそり持ってくれば良かった。
標高を下げると雲が晴れ遠くの山並みを伺う事が出来た。
とりあえず満足。
起点:牛小屋高原レストハウス
往路:夏焼コース 1時間40分
復路:恐羅漢スキー場ゲレンデ 35分
夏焼コースは急登がないものの大きく迂回するコースとなる為、時間がかかる。コース全般は緩やかであるので体力的にも登りやすい。
今回は積雪が少なく、雪質も締まっていたためラッセルすることは無かったが、状況によっては過酷なラッセルを強いられる可能性が在る。
写真でも解るように代わり映えしない風景が続くので道迷いの危険性は高いだろう。今回はあくまでも踏み跡があったから辿りつけたと想っている。
また天候や雪の状況次第ではスノーシューは必須になるだろうし、ラッセルもままならない状況に追い込まれる可能性がある。
何処においても雪山は天候と現地の状況で柔軟な判断が必要だ。
冬季はリフトが動いているので、いっそリフトを使って山頂付近までワープしてしまうのも一つの手。
下山は羅漢高原スキー場のゲレンデを下る。
他のスキー客の邪魔にならないように出来るだけコースの端を歩く。
というか、尻セードで下山。そりゃ下山時間短いわ。
スキー場というだけあって傾斜がきついのでこちらを登りにするのはやめておいた方がよさそう。
初見なので、とにかく安全に下山できるルートとして選択。
ゲレンデを下れば必ず安全な場所に辿りつける。
ただ、リフトに乗ってスキーやスノボーを楽しんでいる人から見たら「あの人何やってんだ?」感は半端ない。
正規登山ルートを歩くのならば、今回下山したルートよりも少し北側にある『立山ルート』を行けばよいだろう。
ゲレンデと隣接しているので雪深いときはこちらの方が安全と思われる。
もう少し積雪が増した時に雪のモンスターを見に来ようかな。