蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回炎録 後編

会社の現金管理を任されていたにも関わらず勝手に持ち出し、パチンコ、競馬とギャンブルで使い果たした。
病気と偽り会社を休んで金策に走るが、駄目だった。
結局、会社にばれて解雇。
名目上は諭旨解雇で、退職金を手に入れた。
其処にどんな都合があったのかも、誰が横領したお金を補填したのかも知らないし、関係ない。




そんなくだらない出来事が、自分の隣の机で起こった。




偉そうに、仕事のやり方やあるべき姿なんぞを俺に向けてほざいていたが、結局はその程度の器だった。
あの程度のはした金でやらかした、まさにクズだ。
後に、どういう訳か下請け会社に再就職して、なかなか位の高い役職に就いたという噂を聞いた。




狂っている。
狂っている。



『もう、俺の戦う場所は、ここじゃない。』



そう思い、自分の中の炎が示す道へと進んだ。



次々と現れる『扉』。
一つ一つを開け放ち、進んでいく。


恐れず進み、手にした者だけが見える世界。







各地で出会う、凄まじい能力を持つ炎者。



そして、次第に増えていく炎を纏った仲間達。




・・・ああ、これだ。背筋を通る電撃。
そして、大気を焦がす焔の音。
血が沸騰する感覚。
この感覚。この感覚こそが・・・・。



『敵』とか『味方』とか『優秀』だとか『劣等』だとかそんな稚拙な枠組みなんて其処にはなかった。
血の通った出逢いの全てが自分を高めてくれる。


小汚い田舎街。無数に立ち並ぶパチンコ屋のネオンはもう輝いてはいなかった。
『あの輝きは偽り』




やっぱりそうだった。




言われなくても俺には解っていたよ。
そんなこと。




目を閉じて。
其処に映るものを、静かに、ゆっくりと持ち上げるんだ。
その、輝きこそが・・・・。




『目を覚ませ。』




これは、システムに対する、俺のささやかなる反乱。


まだ、物語は始まったばかり。


そしてまた、夜が明ける。