仕事を終え、このろくでもない世界から抜け出すように夜の高速を駆け抜けた。
夜遅かったせいか、到着したときにはライブやイベントは終わっており、静かな夜が流れた。
主催や世話人の方に挨拶し寝床を作る。
先発で既に村人になっていた「広島ポイ部」のひらってぃ〜と合流。軽く宴をやって、山の中でファイヤーの練習をこっそりとやった。いい感じだ。夜はあっという間にふけて、眠りに就いた。
翌日。
天気は晴れ。すがすがしい空気が流れる。
とも人のまつり独特の静かな時間が過ぎる。
今までの音楽が鳴り響くまつりとは違い、喧騒もなく淡々と青空の下、静かな空気が流れるだけだった。
とても優しくて気持ちがいい。
続々と集まってくる「広島ポイ部」のメンバー達。
俺の練習する姿をみたあまら仙人が近寄ってきて、
「ポイを回す時は肩から回さない。
回転の中心は肩ではなく身体の中心。
身体の中心にある心の位置で回す。
鳥が羽ばたく時は肩甲骨から翼を動かしている。
自分の中心が初めて分ってから、その中心に変化を与えよ。
そうすれば動きと技の幅が広がる。
息は止めない。ゆっくりと息をしろ。
どんなに動きが激しくても息を止めてはいけない。
息を止めると、『りきみ』が生まれ、身体に負担をかける。
『息をする』と言うことに集中しろ。
地に足をつけろ。そして大地から力を吸い上げろ。
骨盤を開き、柔らかく動かす感覚を掴め。
そうすればステップの動きが変わる。」
仙人直々に身体の動きのレクチャーを受ける。
彼は何者なのか・・・もう何年も付き合っているが、彼は『仙人』なのだ。
あまら仙人。ありがとうございます。
なんか身体と心に染み入る言葉を頂きました。
『お前は見てると面白いねん。逢うたんびに変わって行ってるからなぁ。この先どうなるかの?』
そういって、あまら仙人は、予約で一杯のマッサージの仕事へ向かっていった。
そう、彼はまるで少年漫画に出てくる『仙人』。とても重要なキーパーソンなのかもしれない。
そして恒例のパンつくり。
皆で竹にパン生地を巻いて焚き火でパンを焼く。
やいたら、トッピングして食べるんだ。とても美味しい。
静かな静かな時間が、とても優しく流れていく。
時間と仕事に追われていた昨日がまるで嘘のようだった。
夜が訪れ、音楽が鳴り響く。
ここに流れる音楽もとても優しい音たちばかりだ。
そして、訪れる『回帰の時』。
狂る 狂ると 刻が回帰する。
ヒトが炎を手に入れたその刻へ。
狂る 狂る と廻りだす。
いま 此処 約束の 刻。
暗黒に浮かぶ4つの炎。
『この内側に入るべからず。この外側に出るべからず』
其れは、
暗闇に浮かぶ
炎の結界。