山々の新緑具合を見てふと思い出したこと。
昨年の9月に発生した森林火災であの焼け野原はどうなっているのか。
自宅の手入れのしていない花壇や庭に雑草が芽吹き始めている中で、あの焼け跡は春を迎えてどのような変化をしているのかを確認するのに、久しぶりに再び火の山連峰へ足を向けた。
前回と同様山口県セミナーパークの第8駐車場に車を停めてまずは亀山山頂を目指す。
縦走路に至るまでのルートは岩場が多く、低山に似合わず急峻だ。
いつもの石垣に掛けられた梯子を登り・・・。
急峻な岩場を抜ける。
クライミングシーズンだが、クライミングをしている人はいなかったな。
振り返り先程車を停めたエリアを見下ろす。
燃えていないところは色鮮やかな緑に染まっており、いつもの春らしい新緑の様相だが・・・。
亀山から隣の火の山へ至る稜線を望めば9月の時と様子はほとんど変わっておらず、真っ黒焦げの状態のままだった。
秋吉台の山焼きの事を思えば、そろそろ緑がかっていても良さそうな時期ではあったが、見るからに真っ黒だったのは正直驚いた。
縦走路を進む。
本来だと生い茂るシダで随分と歩きにくい稜線だったのだが。
見ての通り草も生えていない状況だ。
もう少し新芽がぽつぽつとあるのを想像してたのだが。
この真っ黒焦げ、なのは灰が未だに積もっていることもあるのだろうが地面そのものが焼けて黒く変色しているようにも見えた。
時折吹く強い海風。それでもこの黒い灰がそのままで定着しているというのはずいぶんと酷い火勢だったことが想像できる。
稜線を進んで振り返る。
緑色の山は先程いた亀山。手前は登ってきた稜線だ。
これから行く先を望めば、9月に登ってきた時と変わりのない風景が広がる。
なんとか残った緑色の部分が新緑の色をしていたのがせめてもの変化点か。
足元の様子や焦げた木々の幹を見ても黒一色。
風で煽られてピントが合っていないが、本当にちらほらと頼りなくシダが芽吹いている程度だった。
やはり、消火の際に大量の海水を用いて消火したことが影響しているのだろうか。
はたまた、土壌が貧弱な花崗岩の山体ゆえの特性なのか。
ここ最近は各地で大規模な森林火災でこの日の山連峰よりも広い範囲が焼き尽くされていることを想うとなんだかやるせない気持ちになる。
仮に海水による消火で土壌に含まれる塩分濃度が影響して植生が根付かないような変化をしてしまったとするならば、本来あった緑豊かな山体に戻るには10年そこら、あるいは人の物差しでは測れないほどの長い時間が必要になるのかもしれない。
民家に迫る勢いの火を食い止めるのに、目と鼻の先にある海水を使うなとも言えないし、自然鎮火するまでほっておくことも出来ないし難しい問題である。
木々はまた芽吹いて元に戻るとはいかないかもしれないな。
どう見ても焼け死んでいるような雰囲気だ。
植林しようにも、塩分高めの土質から植林なんてできるんかな。
火災地帯を抜けて緑の樹林帯へ。
こちらは新緑が目立っている。
そして最後の陶ヶ岳の頂上へ。
山頂で休憩後はいつもの下山ルートを抜ける。
麓は樹が多いが上の方に行くと細いし貧弱だし。
本当に緑一面になるには結構時間がかかるだろう。
また一年経った秋くらいの涼しくなったくらいの時期に分け入ってみようかな。
樹林帯を抜けて無事下山。
舗装路を歩いてセミナーパークを抜け、元来た第8駐車場へ戻った。
うーん。次登るのは遠目で緑が見え始めたら、でいいかなぁ。
〇亀山から陶ヶ岳へ縦走
走行距離:5.89km
走行時間:1:46'03"
平均ペース:18'00"/km
消費カロリー:444kcal
平均心拍数:128bpm
山登り後は車で15分程度の所にある『あいお荘』へ。
国民宿舎で、現地の名物・車エビがたべれる食事処。
ちょっと高級料理になるのでそこは食べずに立ち寄り温泉があるのでここで登山の汗を流した。
写真には撮影できないが、とにかく露天風呂からの眺めが瀬戸内海に面していて最高だった。
最近はまり気味のサウナもあるしサウナ室からも外の景色が見れるしで非常に満足度が高かったな。
以前から知ってはいた場所だったが訪れるのは初めてだった。
近くに来たときは立ち寄ってみよう。
ここでもモンベルカードが使えたが、それは後になって知った事。
ご当地の車エビ(!)ソフトクリームが割引だった。とほほ。