蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

山行記 九重連山縦走 ③


目指すお山は稲星山。
中岳の下りはなかなかの急斜面で、慎重に足元を確認しながら下山していく。
普段酒は飲まないので味の良し悪しは分からないが、中岳を下ったところにある平地でビールを片手に休憩をしている登山客がいて、何ともうまそうなのが羨ましかった。
暑いので湯を沸かしてラーメンというのは選択肢に入れてなかったのだが、人が上手そうにカップラーメンを食べているとどうしても欲しくなる。
疲れて栄養が不足しているせいか、食べ物飲み物の周囲情報に敏感になってしまう。

稲星山への山道に入る。
足場が小石だらけでガレていることもあって、進む足取りが重い。
写真もろくにとらずひたすらに登るだけの行程になってしまった。
この登りあたりから、体力に陰りが見え始めた。


そして4座目になる稲星山へ登頂。
山頂は広いものの、石だらけの荒涼とした風景が広がっていた。
どの山頂も個性があって面白い。


雲がかかってすっきりしない状態だが、雨が降り出すようなところまではいかないようだ。


そして久住山へ。


休日にも関わらず、思っていたよりも出逢う人が少ない。
時間帯にもよるのだろうか?
常連さんは午前中には下山しているのかもしれない。
個人的なイメージだと、駐車場も満杯で止めれるか不安なくらい人が多いのかと想っていたが以外にも人が少なく、後半は広大なフィールドを自分たちが独り占めしているような感じだった。


近いのか遠いのか分からない距離感。さっきまであの山を越えて来たんだよなぁ。

そして久住山へ登頂。
ここでしばし小休止をとる。
久住山の山頂は大きな石がゴロゴロしている。
同じ山域なのにこうも山頂の雰囲気が違ってくるのが不思議だ。

『さて、ぼちぼちおりますか。』
もう、急激なアップダウンは無いとはいえ、久住別れから牧ノ戸峠まではそこそこ距離がある。
遅くならないうちに下山しようとしたら引き時だろう。


久住別れを過ぎ、牧ノ戸峠を降りる。
そうそう。登山開始直後にある沓掛山というピークをいつの間にか過ぎていたのだ。
せっかくなので見過ごしていた山頂標識を探し、6座目のピークを踏んだことにした。

沓掛山標高1503mと今回渡ってきたピークの中で一番低い場所だが、それでも山口県最高峰寂地山よりだいぶ高い。
山の高さで競い合うわけでは無いが、改めて考えるとこの九重連山全体の標高の高さとフィールドの広さに驚く。九州の屋根と言われるところはなんとなく理解できる。


かなり長い距離時間を歩いたので、本当にばててしまった。
しかしながら、単発的な低山登山よりもかなり充実した山行になったように思える。

廻ってきたところの地図。
一つの画面におさめることが出来なかったので今回は分割して掲載。
久住連山全体図から見てみると、今回廻ったところは中央部分のみで、その周りに点在する山も含めてみるとまだまだ僅かなエリアだけしか歩いていない。
ルート、登山口も豊富にあるし、一つのピークを目指しても良いし、縦走しても良いので何通りもの楽しみ方が出来そう。
ヤマキリシマが有名なのでその時期も訪れてみたいが、人が多いのはちょっと大変かもしれない。
この山肌全面がピンクに染まることを想像すると、絶景以外の何物でもないだろう。


ルート:牧ノ戸峠→星生山→天狗ヶ城→中岳→稲星山→久住山→沓掛山→牧ノ戸峠
歩行総時間:7時間1分(休憩含む)
沿面距離:12.57Km
最高点:1791m
最低点:1329m



帰りはお約束の温泉。火山の近くという事もあってかなり質の良い温泉だった。
こんな長い距離を歩いたのは初めてだったので消耗が激しく、とにかく炭水化物を摂取せしめようと食事処を探すも軒並み17時閉店。
どこも開いていない。
空腹のまま九重連山山域を離脱し結局どこにでもある様なファミレスで食事をとって締めになった。
畜生。誤算だったぜ。
ここまで来たら、とり天とかだご汁、高菜飯などの名物を食したかったのだが・・・。