星生山の山頂を後にし、尾根を下って行く。
雲が流れて景色は移り変わり、周辺の風景の広大さを見せつけて来る。
次の目標は九州本土最高峰・中岳。
霞んではいるものの、手前に噴煙を上げる硫黄山、奥には大きな三俣山がそびえている。
広い。とにかく広い。
あの山が久住山。あの山は中岳?
地図を見ながら周辺の様子を伺う。
眼下に起点となる久住別れが見えた。
ここを中心にすると周辺の主だった場所に行ける要となる場所だ。
山を登らなければ、平坦な道を進むだけで訪れることが可能。
眼前にそびえるのは久住山。
最高峰となる中岳の姿はまだ見えない。
見た目ではどの山も大きすぎて、本当に登れるのか不安になる大きさ。
開けているので比較するものが無く、イマイチ距離感がつかめない。
雄大な風景とはまさにこの事だろう。
途中、沢山の子供で編成されたパーティーを追い抜いて行く。
先頭のガイドさんに話をかけてこの地形の事について話をさせて貰うと、行く先に予定していなかったピークがあることを教えてもらう。
可能な限り回るという山行だったのと、時間的に大きな損失は無いと判断し、中岳登頂の前に天狗ヶ城というピークを踏むことにした。
普段片道1時間程度、一座の山行ばかりなので山を巡る縦走は新鮮だ。
振り返ると御池が見える。
かつて火山だったことを彷彿とさせる姿だ。
標高1500mを超す場所に池があるのはなんだか不思議。
先ほど追い抜いたパーティーは御池の周りを回って中岳を目指すようだ。
そして、天狗ヶ城へ到着。
ここで昼休憩。
ガスが掛かったり晴れたりの様相だが、それでも時折見える風景は美しい。
九州本土最高点までもう一息。
山の中腹からテントが沢山立ち並んでいる場所を見つけた。
坊がつるキャンプ場だ。
その近くには法華院山荘温泉もある。
車で行けるような場所ではないので、キャンプ道具一式を背負って行かなければならない。
数日間キャンプをしながらこの山域を巡ればかなり楽しめるだろう。
あれだけキャンプ用品を持っていながら、山岳キャンプに特化した装備がほとんど無いのでおいそれとキャンプ登山なんて無理な話だが、何時かは目指してみたいところだ。
山荘があるので予約して、山荘を利用してもいいかもね。
振り返れば先ほどいた天狗ヶ城が見える。
前を進み、ぐんぐん高度を上げる。
ようやっと到着した九州本土最高峰・中岳。やっと到着したわ。
山頂は先ほどのパーティーが昼食をとっていたりと沢山の人で賑わっていた。
お昼過ぎ。まだまだ時間もあるし、体力も十分ある。
時間に迫られるなら当初の予定を切り上げて下山することも想定していたが、無理なく計画を進めれそう。
『ガンガン行ってみようか。』