蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録 船方ギャザリング2013

昨年と同じ感じだ。
クソ面白くもない仕事の人間とクソ面白くもない内容の仕事に邪魔をされて今回もイベントをまるまる楽しめそうにない。無理をしても滞在時間は夜の4時間程度。二日あるうちのたった4時間しか楽しめない。クソッタレだ。
それでも、ストークバムからファイヤーパフォーマンスを合同でやろうとお誘いを受けたので加勢したい。
仕事を終えてすぐさま会場へと足を運んだ。道具は事前に車で積み込んで準備してあり、問題と言えば仕事で疲れてしまって、残りの体力が幾分か少ないことくらいだった・・・。
正直そんなことはどうでもいい。
俺の目の前にあった選択肢は、『やる』か『やらない』の二択しかなく、反射神経的に後者の選択肢が出る前に前者を選んだからだ。




会場に到着するとすでに周南米のメンバーたちが集結し『周南米ベース』を構築していた。
ベースの中を覗くと、気まずそうな顔をした相方のケインが猛獣渦巻く女子会の中に放り込まれていた。
カワイソウニ・・・。


DJブースにはガンガン音が鳴り響き、空は夜の様相を呈してきた。





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先週の風のまつり・・・。
楽焔のリョウからある一人の女性の死の報せを聞いた。
昨年の12月。交通事故だったそうだ・・・・。



広島編2009年の出来事まで遡る。
夏祭りでケインと初めて出逢った直後、それを待っていたかの如くリョウが広島でポイのワークショップを開催することになった。
そのワークショップの立ち上げ人が彼女だった。
かなりアクティブな女性で、開催されたワークショップに集まってきたメンバーは30名以上。
講師で来ていたリョウもびっくりだった。
当時ポイにそこまで興味がなかったのだが、興味津々のケインを連れてワークショップを受講した。
そこで俺はなんとなくポイを握ることになったのだ。
ワークショップ後、主催してくれた彼女は幾たびかのコメントを此のブログへ残してくれていたが、その後ネットワークの世界でも、リアルの世界でも疎遠になってしまっていた。
今では彼女の顔もぼんやりとしか思い出せない。
それでも、もしかすると・・・彼女はずっとこのブログを見てきてくれたのかもしれない。



後に話を聞くと彼女は広島のアフリカンダンスチーム『ケレケレ』のメンバーだったそうだ。
パサールや風の祭りでは『周防マゾネス』とも合同でやっていたから、どこかに接点があったのかもしれない。
事実、周防アマゾネスの太鼓隊メンバーには彼女のことをよく知る人間もいた。



もし、2009年の虹の岬祭りでリョウと出逢っていなかったら・・・・。
もし、その年の夏祭りでケインと出逢っていなかったら・・・・。
もし、彼女がリョウを招いて広島でワークショップを開催してくれなかったら・・・・。
もし、そのワークショップを二人して行かなかったら・・・・。



○○○ ●●● ○○○ ●●● ○○○ ●●● 






ステージ直前。
トークバムのリーダー・タケさんの指揮下の元、準備をする。
2本あるうちのステージ枠のうち最初の一本目は、俺たち『不知火』に任せてもらうことになった。
タケさん自身も忙しかったようで、ギリギリに会場入り。
もともと合同でやる予定だったが、バタバタして落ち着けていないのと、きっと『任せろ』と豪語した俺たちを試したかったのだろう。



『あとは自分たちのタイミングで、飛び込んでくれ』といわれた。



その眼は、信頼してくれている眼だった。
ありがとう。タケさん。



ステージに出る直前。
俺とケインは拳を合わせた。


『行こう!!』



楽焔と比べちゃまだまだだが・・・。
とりあえず、ここまで来たよ・・・。



もし、2009年の虹の岬祭りでリョウと出逢っていなかったら・・・・。
もし、その年の夏祭りでケインと出逢っていなかったら・・・・。
もし、彼女がリョウを招いて広島でワークショップを開催してくれなかったら・・・・。
もし、そのワークショップを二人して行かなかったら・・・・。




俺たちは、この世界(ステージ)には立ってはいない。




きっと、テレビやYOUTUBEの中の出来事だけ終わってしまったかもしれない。
きっと、こんな素敵な世界を知らずに一生を終えてしまっていたかもしれない。
きっと、誰かに感動を与えることもできないまま一生を終えていたかもしれない。
きっと、誰にも出逢わずに、一生を終えていたかもしれない。



ありがとう。
ありがとう。
ありがとう。
よく見ていてくれ。
このステージにいるのは確かに貴女がきっかけだった。



さようなら。
さようなら。
さようなら。
人生は旅と同じ。
出逢いがあれば、別れがある。




達者でね。
また、来世で遊びましょう。





一本目のステージの後、会場に準備されている大きな焚火に火を点けた。
焔の使い手のタケさんは、主催者側から火の番を任されていた。
大きく燃え上がった焔は暗闇の空を焦がす。
上昇気流に乗った真っ赤な灰は、粉雪のように静かに辺りに降り注いだ。


焔の前。
天を焦がす焔を仰ぐ・・・。
鳴り響く4つ打ちのビート・・・。



自分自身を焔の上昇気流に乗せるように高めて行く・・・。



『行きましょう!!』
タケさんの声と共に、今度は3人で拳を一つに合わせた。



周南米の女性陣の中で現在、株が急上昇中のケイン・・・。
黄色い声援が聞こえております。
今晩も、なかなかいい夜だ。


ステージには石見神楽も出演。


久々に神楽見たけど演技も音楽も迫力があって面白いね。
もっと、こういうイベントにも出てきてもいいと思うよ。



夜0時すぎ。
まだ鳴り止まない祭りの夜を後にした。