蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

電波受信

あまり、テレビを見るほうではない。というか、ほとんど見ない。


デジタル放送に切り替わるタイミングにもかかわらず、無いなら無いで良いという判断の元、テレビの買い替えを放置。当時の地デジ対応テレビはいくらかは知る由も無いが、無駄金とも思っていた。

そんな中、アナログ放送終了を迎えたのだが、あっさりテレビが映った。拍子抜けだ。結局アパートに入っているケーブルテレビのサービスでアナログに変換して電波を送信。
買い替えなくてほんとに良かったよ。


とは言いつつも、テレビが点いている時間は非常に短い。
パソコンで事足りるからか。


どちらにしても、テレビの内容とくれば芸能人がうまいものを食って値段を当てあったり、芸能人同士がくだらん格付けなんぞをしている、正直どうでも良い番組ばかり。
せいぜいテレビを見ても、朝の天気予報とニュースくらい。夜はつけない。


でも、たまに金曜ロードショーとかを食い入るように見てしまう。
そして、あっという間に2時間が過ぎる。
まるで中毒。


テレビに束縛されない生活って、結構時間があることに気付いた。ゆっくり本を読んだり、音楽を聴いたり。








いつぞや、すこし肌寒い雨の中の街を歩いていると道路の片隅の壁際にブラウン管テレビが不法投棄されていた。
薄汚れたそれは画面を壁に向け、雨ざらしの中にただ一人ぽつんと放置されていた。



かつては家族の集まる暖かいリビングの中心にすわり、家で一番の人気者。
朝から晩まで皆の注目の的だったに違いない。


それが今や、名も無い道路の片隅の壁に画面を向けて、肌寒い雨の中、誰にもかまわれず放置されている。捨てられて泣いているかのような背中姿だった。





そんな哀愁漂う背中姿をふと思い出し、盛者必衰の理を想ふ。






不法投棄は良くないよ。