90年代に流行したというEDWINのジーンズ『505』。
今年にそのヒットした505が30周年を記念して復刻するというニュースをネットで見かけて近隣のショップを見て回ったが、画一的なチェーン店の商品展開にお目当ての505が見当たらず、昨日たまたま寄った下松のショッピングモールのカジュアルショップに売ってあったので、すぐさま購入した。
福岡でカジュアルショップに寄ったときには見かけたのだが、別にジャケットを購入していて予算的にその時買えず、「別に山口県内でも売ってあるでしょ。」みたいに構えていたら、どこ行っても売ってやがらないの。
まぁ、県内の近場で発見して一先ず手に入れることが出来たので良しとしよう。フルラインナップというほど多く置いてないし、サイズも2インチ刻みしか入れてないとの事だったが、狙っていたシルエットとサイズも合うやつがあったので良かったわ。
店舗としては沢山売れそうにない在庫をあまり抱えたくないのは分かるが、田舎だとこういうところが困るんだよなぁ。
確かにビンテージモデルとなって割高なものを買う人ってそんなにいないかもしれないしねぇ。
90年代はちょうど小学生高学年から中学生の頃。
親から買い与えられる服に不満があったり、ファッションに興味を持ち始めたりした時期だ。
特にテレビにはエドウィンのジーンズのCMが頻繁に流れていて、当時絶大な人気を誇った映画俳優ブラッド・ピットが『ゴゥーマルゥーサーン~、エドウィンっ!』とかギターを片手に歌っていたり、『シーナさん行こうよ!シーナさん馬に乗ろうよ!』なんて子供に言われた人が、馬に乗ってモンゴルかどこかの大草原を旗のようにしたジーンズを掲げて走っていたりして、今でも記憶に残る印象深いCMだった。
こうもテレビCMに出るので無意識的にエドウィンというメーカーの商品は、いつの間にか憧れの存在になってしまっていた。
エドウィンの象徴ともいえるバックポケットにステッチで描かれたWのデザイン。
ここにメーカーの特色が良く出る。
当時は、ファストファッションの先駆けのユニクロが各地に進出していて、この頃から親にねだってリーズナブルなユニクロのジーンズを買ってもらい着用していた。
子供の頃はエドウィンはアメリカのメーカーと思っていて、親に連れて行かれるユニクロなんかでは絶対売ってないし、早々買えるものでは無い代物と思い込んでいた。
その頃はビンテージブームで、古いジーンズが良いとされていた時代だったようだ。
その例に漏れず、ユーズド加工されたジーンズが店舗に並んでいた記憶があるし、ユニクロにもそういった展開もあったので買って貰って大事に履いていた。
ジーンズやファッションについて詳しい情報は持ち合わせていなかったが、とにかくジーンズの裾の裏の縫い合わせ部分に『赤耳』なるデザインが施されているものが流行の最先端だという事だけは話題になっていて、当時の記憶として今でも残っている。
が、そんなものはおいそれと買えないし、なかなか売っているというお店に出向く機会も無かった。
このエドウィンの『505』というロットは、『ニュービンテージ』というコンセプトで、昔ながらの古いデザインや造り、ディテールを踏襲したジーンズを販売。
大ヒットした商品だそうな。
当時のイメージだと、エドウィンと言えばCMの影響もあってか「503」というイメージが強く、今でも販売されているロングセラーなのだが、この度ニュービンテージのコンセプトを持つジーンズ『505』が復刻することとなった。
すでによりビンテージを体現したデザインのジーンズは桃太郎ジーンズや鬼デニムで所有はしてるんだけどね。
社会人になってからは好んで購入していたジーンズはエドウィンだった。
子供の頃の印象が強かったこともあるのかもしれない。
店先でエドウィンが日本のメーカーである事を知って、メイド・イン・ジャパンに強いこだわりがあったのもあるだろう。
(DENIMのうちDEの文字を逆にして、NIMの文字を180度ひっくり返すとEDWINになるアナグラムから来ている。江戸(東京)と勝利を意味しているらしい。)
そして社会人にとっては意外にもリーズナブルな値段だった。
とにかく使って洗って履き潰していた記憶がある。
そんなビンテージテイストを残したジーンズ『505』がこの度復刻するとの事で手に入れた。
すでにオールド加工されたものもラインナップに入っていたのだが、やっぱりジーンズは自分で履き込んで『育てる』感覚がとても好きなので、オールド加工のされていないワンウォッシュを購入。
なんのアタリも付いていない無垢なものを選択した。
ジーンズを買う時はいつもそうだ。
エドウィン505の刺繍タグ。コットンとレーヨンの織りネームで経年変化が楽しめるつくりをしている。
日本の国旗と共にあしらわれた、メイド・イン・ジャパンのワッペン。
別に見えないところにまでこだわるのがデザインの大切な部分だと思う。
所々に違う色のステッチで縫っていたりと特別なつくりをしている箇所が多いように感じる。
コインポケットにはセルビッチが表面に出ていてワンポイントになっている。
細かいところだが、所有しているジーンズには無いデザインだ。
そして昔ながらの織り機で織られた証である裾裏のセルビッチ、通称『赤耳』もしっかりと再現されている。昔、子供の時に憧れていた『赤耳』だ。
ニュービンテージの復刻と銘打ってあるだけあって、廉価版と比べ細かいところまで造り込まれている。
同じエドウィンの商品よりも少し値段が高めに設定されているが納得の造りだ。
生地も最近主流になったストレッチが効いた生地ではなくて、ザラ感の強いタフそうな肌触り。色も深く濃い紺色で好みの色だ。
シルエットもイメージする年代別に数種類あったのだが、太すぎず細すぎず、バイクやエンジニアブーツに合いそうなルーズストレートの505ZXをチョイス。
今持っている服と合わせてもデイリーユース出来そうだしね。
使い込みという点では、持っている複数のジーンズはそこまで深いアタリはついていない。
いかんせん履いていたとしてもせいぜい平日は仕事の通勤時間往復2時間しか履かないし、しかも車の運転で椅子に座っているので、多少アタリが付くことには付くが、ビンテージ感が出るまでにはなかなか至らないんだよなぁ。
まぁ、ローテーションさせていることにもなるので、一本一本のダメージは低減されるし、お気に入りのジーンズたちを永く履こうと思えば、こういう使い方が一番いいのかもしれないけどね。
こんなにジーンズばっかり持ってお前の腰から下は一つだろうが、って無粋な話はこの際しないでおこう。
丁度寒くなってくるし、しっかりと履き込むには良い季節になってきているので、当面はこのジーンズを履きっぱなしで過ごそうと思う。
『穿きつぶせ、ビンテージ。』