星が瞬き、電線が交差する空に打ち上げ花火が上がる。
コロナ禍の影響で例年開催されていた花火大会は軒並み中止になってしまった。
新しい生活様式とやらがこのまま続く様では、不要不急に該当する伝統行事は衰退する一方だろう。本当に今の世を蝕むコロナ禍は罪深いと思う。
この日夜8時から場所は非公開で花火が上がるという回覧が今月の初めに回ってきた。
仕事をコロナ禍で干されてしまった花火師の救済もあったのだろう。
夏恒例の伝統行事でもある花火大会が開催されず、夏らしさを演出してなんとかしようという事もあったのかもしれない。
市内の複数個所、しかもかなり多い場所で数分の花火大会が開催された。
住宅街のど真ん中で打ち上げるという事もあってか、場所は非公開とされつつもなんとなく打ち上げられる場所は想定できた。
近所でも打ち上げ場所は暗黙の了解の様になっていた。
自宅の庭先でその方角を確認していると花火が打ちあがりはじめた。
自宅内に設置した定点カメラは画角が大外れ。もうチョイ上だったか~。
画角が決まっていたらかなり画になっていただろうがねぇ。
自宅前では手持ちで撮影したがブレブレの露出めちゃくちゃで、とりあえずの記録写真。二兎を追うもの一兎も得ず。まぁええわい。
淡く、短い打ち上げ花火が空を彩る。
山の向うでも花火が遠雷のように鳴りひびいていた。
夏の非日常は煙になって流れて消えた。