蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

山行記 霊峰 石鎚山 ①

登山を始めてもうすぐ1年。
タダの体力維持の運動がてら程度でやり始めたが、山頂から見える壮大な景色や道中の自然豊かな景色に魅せられて、すっかりとのめり込んでしまった。
初めて右田ヶ岳に登った時に、天文同好会のウラカン氏より『石鎚山を目指してみては?』というアドバイスを頂いたことを発端とし、同じく天文同好会の会長より山口県近県の山容を教えてもらったことが、山に足を向ける事にさらなる拍車をかけた。
この一年に関しては毎月数回は必ずどこかの山に分け入り、山に潜む魅力を探し、自らの体を鍛錬した。
一年前と比べても、我ながら体つきはしっかりしてきたように思える。


ずれてしまった盆連休を利用し、己の鍛錬の具合と時期がマッチしたことから当初目標と掲げていた『霊峰・石鎚山』の頂へと歩みを進める。

長距離をドライブして山を目指すのはしんどいので前日の夜半に現地入り。
お得意の車中泊で夜を明かす。
既に駐車場には数台の車中泊をしている車があり、夜明けを待っていた。
連休のほとぼりも覚めていることもあってか想っていたよりも登山客は少ない。

翌朝。いつも通りに目を覚まし、身支度を整える。
途中まではロープウェイを使う予定であり、始発となる8時の便で標高400mのところから一気に1300mまで駆け上がる。



天気予報は晴れ。しかしながら山頂付近は雲がかかっている。
取り敢えず荒天になることは無さそうなので、まずまずである。
先日登った山口県の最高峰、寂地山とほぼ同じ標高が今回の山行のスタート地点である。
『高きことが尊きに非ず』とは言うものの、我ながら凄い場所に来たなと感慨深く想えた。


出発地点にある成就神社に山行の安全祈願。

登山口となる『神門』をくぐり、本格的な登山道の開始となる。

日本百名山、七大霊山、そして近畿以西の西日本でもっとも標高が高い石鎚山
登山客が多いこともあろうか、道も綺麗に整っており、標識等も要所要所で建てられていてルートとしては非常に明確だ。
緑が深く、美しい。

木の間から目指す山頂が垣間見えた。

八丁峠と言われる緩やかな道を過ぎると、徐々に傾斜がきつくなる。
木の階段が延々続き、体力を削がれる。

続く林間の山道を進むと第一のチェックポイント『試しの鎖』が現れる。

4本ある鎖場の一本目『試しの鎖』。
簡単な話、この『試しの鎖』を越える自信が無い者は、残りの3本は通るべきではないという事だ。
『石鎚を目指すなら、莇ヶ岳の鎖場で修練すべし』
ラカンさんの助言を受け2回ほど莇ヶ岳の鎖場で訓練をしている。
全てはこのためだ。
何にしても試さずにはいられない。

道中、追い抜き追い越されを繰り返していた同年代の男性二人組もためらっていたが、とりあえず試してみようという事で鎖場を踏破するべく気合を入れていた。
傾斜は非常にきついものの足掛かりも多く、『ど畜生!もうだめだ!』感は無い。
ある意味修練してきた賜物だろうが・・・。
が、だ。長い!
思っていたのよりも長い。

莇ヶ岳の最長となる三の鎖よりも長いんじゃね?さらに傾斜きついし・・・。

ピークとなる『前社森』へ到着。
先行していたおじさんが山頂で休憩していた。なんでも宮城から来られたそうで、『やっぱりここ(石鎚山)に来たら鎖場に挑戦しないとね。しかし下界は夜でもかなり暑いねぇ』なんて世話話をしていると、先ほどの男性二人組も登ってきた。
話題は『これでお試しなのか〜』という事。
はてさて、残りの鎖場はいかなるものか?

ピークからの展望は360度ひらけており、大パノラマを満喫できると想っていたが、吹き込む雲に遮られイマイチ展望を愉しむことが出来なかった。
さて、先を急ごう。と想ったら、ピークを越えた先にある鎖を伝って下らないと先に進めない様子。

試しの鎖場のみが下りで進む必要があるようで、他の鎖場はそれは無いという事。
恐る恐る足場を確保して下降する。
うーん。試されているねぇ・・・。


再び長い木の階段を突き進み、高度を上げていく。

長く続く階段にはかなりうんざりさせられた。






つづく。