莇ヶ岳の別名は『兄見山』。北側には向き合う様に少しばかり標高の高い『弟見山(おととみやま)』がある。
尾根伝いに弟見山までの縦走路があるが、道中は踏み跡はあるものの、熊笹で覆われていて注意が必要との事だった。
体力的に消耗が激しいならここで引き返せばよいが、行って戻れるだけの体力が十分に残っている。
そして時期的に笹の葉の量は少ない時期であるのと、木々に葉は芽吹いておらず比較的明るい中で山行を行えると踏んで弟見山を目指す。
莇ヶ岳の北の尾根に入ったところで目標とする弟見山の山頂が見えた。
一応方向を確保するためにコンパスを目標山頂にセットし位置を外さない様に心がける。
道中はずっと尾根伝いのため尾根から外れなければ特に問題はないだろう。
ある程度登山者も多いことから、踏み跡やテープ、表示もしっかりありルート迷いはなさそうだ。
縦走路に入りしばらくすると、メインの熊笹の茂みが現れる。
シーズンになると身の丈を越えるほどに成長するそうだ。
この時期とはいえど腰の高さくらいまである。
確かにこの熊笹、十方山でも見たがかなり背丈が高かった記憶がある。
縦走路では所々刈入れているところがあるが、そうでない場所がその大半で踏み跡らしき道は熊笹に隠れている。
基本、尾根道であることを意識して、熊笹の下に隠れている踏み跡をしっかりと確認すれば踏破は可能だろう。あくまでも熊笹の背が低いであろうこの時期でならば、難易度は高くないと想う。
空を見上げる。新緑が待ち遠しい。
尾根から谷の笹原を見下ろしているような写真だが、実は縦走路で一応れっきとした登山道。
このような道を突き進んでいく。
笹の道を1時間ほど歩き弟見山山頂へ。
道中は高低差も大きくなく、緩やかな勾配と小さなピークをいくつか越えていく、生い茂る熊笹を除けば穏やかなルートだ。
山頂へ到着。弟分である莇ヶ岳よりも若干標高が高い。
山頂の展望は開けてはおらず、見応えが良いとはとても言えないが、山頂直前の広場ではかなり展望が開けていたので、そこまで下り、昼食タイム。
目前に見えるのは先ほどまでいた『莇ヶ岳』。
確かにお互いを見守る様に立っているな。
あの山から尾根伝いにここまで来たことになる。我ながらあの道をよく来たもんだと感心した。
お決まりの袋ラーメンとおにぎりセット。
一見すると粗末な食事だが、目の前の風景を楽しみながらになると贅沢な食事だ。
しばらく休憩した後、再び熊笹の縦走路を戻り莇ヶ岳へ。
莇ヶ岳の山頂を通過後は、登ってきた本ルートを使わずに松の尾根コースにて下山する。
久々に長い事歩いたなぁ。
いつも片道1時間くらいの山道往復なので、久々に長い距離を歩くと全身筋肉痛になってしまった。
山をじっくり楽しみたいのなら縦走が一番面白いかもしれない。
往路
本ルート→莇ヶ岳 50分
莇ヶ岳→弟見山 1時間10分
(30分休憩)
復路
弟見山→莇ヶ岳 1時間
莇ヶ岳松の尾根ルート 35分