蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

胸に刃を。道楽独楽は狂る狂る廻る。


胸に刃を。

キャンプを始めて以来、お守りのように持っているアーミナイフ。
ケースはもちろん手作り。




ぐちぐち。


量販店ではイマイチピンとくる登山用品が無いため、県内某所にある登山用品専門店へ。
初心者丸出しで、ウェアや用品の事を中年男性の店員に聞こうとすると、
『お客さんがどういうスタイルの登山をするのかによる。自分に合うのを考えて選んでみてください。』
の一点張り。
製品の特長を聞きたいだけなのに、莫迦の一つ覚えの様な対応で辟易した。
やる気がないのか、商品を知らないのか、営業能力が低いのか・・・。
数年前に訪れた時はこんな感じじゃなかったんだけどなぁ・・・。
おそらくこのお店へは、ピンポイントで欲しいものがあるかないか確認する以外、立ち寄ることは無いだろう。
登山用品店はまだあるしね。
結局、ネットで調べていた情報を元に商品を買って足早に店を後にした。



しかしだ。
確かにその感覚は解らなくはない。
よく、初心者にカメラはどんなものがいいかと尋ねられることがあり、困ってしまうことがあった。
『とにかく展示品が沢山置いてあるお店に行って、実際に触って握ってみてピンと来たやつが良い』
などと、のたまってしまうことがあり、恐らく感覚的にはそれと似た感じなのだろう。
所詮道楽なので自分の所有欲を満たす物が一番だろうから、初心者には小難しいウンチクはさておいて手に取った満足感だけで選んでしまえというアドバイスをしてしまっていたのだ。
『触って自分でよさそうなものを考えて選んでくれ』そんなところだ。
以前、周囲に絶賛していたリコー『GXR』があっという間に企画倒れし、その機体が傾奇者扱いになってしまった苦い経験があったこともある。(俺のプレゼンが良かったのか、身近に3名ほど購入した人がいた。)



こんな体験をしばしば見受けることがあった。
悠々自適な年金生活者が、店員のお勧めのままに高い品物を購入し、少しでもお勧めと違うところがあったらクレームの様に文句を言う。
確かにお勧めなのかもしれないけれど、少しは自分に合うかどうか考えろよと想ってしまう。
そもそも『性能差』というのは極限状態であったり永く使ってみて初めて違いが分かるようなもんだろうし、そこを感じれないまま短絡的に、
『この商品は店員が言うほど大したことは無い。高い金払わせて大したことないもん売りつけやがって』
と、いちいち吹っかけられては店員もたまったもんではないだろう。
比較的、高齢者で登山をやられている人が多いこともあり、そういったところから安全牌を引くために、
『自分に合うものを考えて選んでみてください』
などと、初心者にとっては本末転倒な問答で終わってしまうのだろう。
こちらからしたら、
『それが知りてぇんだよ。だから直接話に来てんだっ!せめて参考になりそうな機能特長くらい聞かせろや!!』
となってしまったのだ。
事前に登山趣味の職場の人間からこのような対応なのであまりお勧めしないとは言われていたが、本当にその通りに出てきたので、ある意味予定調和の流れだった。
リサーチというのは重要である。




一概に高価な機材で身を固めれば素晴らしい結果を生み出すとは限らない。
あくまでそれらは道具であって、使い手とのバランスが重要なのだろう。
こと登山に関しては本人の能力に依るところも多い。
機材も大切だが、トレーニングも大切だ。



所詮道楽。自分が好きな物を選べば良いんだろうけどね。





そうそう。道楽・・・・。
職場のどっぷり登山趣味人の後輩君は、30Kgの荷物を背負って東鳳翩山へ毎週訓練と称し通っているそうな。
カミさんの実家から頂いた30Kgの米を精米しに担いだのだが、正直『なんてクレイジーな野郎だ』と想ってしまった次第である。



『先輩、見てくださいこの土嚢袋。スライムみたいで可愛くないですか?これをザックに入れて登山するんですよ〜。』
そう言って見せてくれる携帯電話の画面には、『土の詰まった土嚢袋』が映し出されていた。



そのようになんだか良く解らないがとにかく楽しそうに語る彼の姿は、道楽街道の中央線をはみ出して突っ走っているように見え実に清々しいものであった。



ところで、人は山に入ると莫迦に変換してしまうのか?