蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録2 とも人のおまつり2014 炎の女神

音和の時は終焉を迎え、回帰の時へと繋がる。


会場中の灯りは消され、自然のあるがままの姿へ回帰する。


其処に在るのは、会場の中心に焚かれた焔と、雲の切れ目から時折見える星の瞬き。


月はゆっくりと天へと昇り、世界を燈す。


木魂する不思議な音色。


どこか懐かしい、初めて聞く不思議な音色が会場を波紋の様に包み込む。




夢幻の如く舞い降りる一輪の焔。


其れは美しく、穏やかに炎の中を舞い、この限定された『とも人のおまつり』という世界を、ゆっくりと静かに、しかしながら確実に魅了していく。



『心に染み入る美しさ』というのがこういう事かと肌で、空気で感じた。


焔の周りを舞う彼女の姿はあまりにも美しく、鮮烈だった。


これこそが、これこそが『芸』の極み。


何にも頼らず、何も持たず、何も身に付けず。
ただ『在る』だけで会場中の全ての観客を釘付けにする。


そう想うだけで、肌が粟立った。


神話の世界。
日本最古の踊り子、芸能の神『アメノウズメ』がよぎった。


此の恐ろしくも、美しい演舞。


只、望めるのならば。
パフォーマーとして望めるのならば、共に演じてみたい。
写真家として望めるのであれば、其の瞬間を切り撮りたい。

この相反する願いを同時に叶えることはできまい。


この夜は本当に美しかった。

この空間に辿り着けた事に感謝したい。


Performer『牧瀬茜』

ブログ『続・週刊牧瀬』
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*ご本人の許可を得て撮影・ブログアップしております。