蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

とも人のおまつり 9 三夜 妖


宵闇に戯れる焔。
我ら、焔を纏った妖。
遊び遊ばせ灼熱の焔。
宵闇、常闇、紅く照らせ。





今年も祭りの華。大トリとして出演させてもらった。
第1回から9年目の夜。
一人で切り盛りしていたステージも仲間に囲まれて毎年盛大に毎年ずつ良くなってよりステージらしく成長させることが出来たと想う。


共にステージに立ってくれた広島ポイ部のメンバー、A☆Pさん、ニクロム・ケイン、岡君、ムウちゃん、ありがとう。惜しくも出演できなかったり、途中で帰らないといけなかったメンバーやサポートメンバーのみんなも感謝の一言に尽きる。


Specal Thanks
和太鼓ユニット 我龍  
空間茶天
広島ポイ部





○ステージのこと。


ステージ後のメンバーとの宴会を終え、皆が寝静まろうとする時間。
このとも人のおまつりの代表である佐原さんと焚火を囲って話した。
なぜ、広島ポイ部を、俺を毎年誘ってくれるのかという話だ。


「DAISUKE君も含め、広島ポイ部はステージの所作が美しいからだ。」
「始まりと終わりをきっちりしおり、運営として安心できる。」
そうおっしゃってくれた。


俺自身、ステージを幾つもやってきていた中で、一番しっくりきたやり方があった。
それは、
・しっかりとイベントのタイムスケジュールに組み込まれている事。
・主催者側との打ち合わせでステージの場所が明確に決定されている事。
・演目、もしくは音楽が明確にきまっており、始まりが明確で、またその終わりも明確にある事。
・始まりと、終わりに必ず挨拶とお礼の瞬間がある事。


この4点が揃っていて初めて「ステージ」として成立していたと想うし、何よりも「パフォーマンスをした」という実感が強かった。

そして上記4点を押さえていたからこそ、とも人のおまつりの主催者、関係者、観客も安心してステージを観ることが出来たと想うし、会場の空気全体を「パフォーマンスの空気」へと確実に持って行け、印象深いステージをこなせたのだろうと強く感じる。


過去、飛び込みで、DJが鳴らしている音楽に乗っかってやることもあった。
飛び込み営業では良く使っていた手段だ。
だが、やはり「ステージとして確立していたか」という点についてはいささか疑問に思う事がある。
『果たして会場を盛り上げることが出来たのだろうか?』



他のチームとやった時の事だ。
イベントの出演者リストにもタイムテーブルにも登録されていない。
チーム代表はイベント主催者へ急遽出演という事で許可をとった。
いうなればほぼ飛び込みである。
音楽は他のミュージシャンがステージで出演しているところに飛び込むという事。
そのミュージシャンの音楽がどういう音楽なのか、どれくらいの長さの曲を何曲やるのかも全くわからない。
そもそもそのミュージシャンと話は付いているのか?
結局ステージの傍らでファイヤーパフォーマンスを各々やるのだ。
当初ファイヤーパフォーマンスをやると決めて打ち合わせをしていたメンバー以外にも、次々と見知らぬファイヤーパフォーマーが乱入してくる。
誰がいつ引いて、出ていくのか。いつ終わるのか良く解らないままダラダラと交代を繰り返す。
観客は、ミュージシャンの音楽を聴いている。
その傍らで興味のある人や物珍しさでファイヤーパフォーマンスを見物している。
会場全体・ステージ全体の空気感が中途半端でバラバラなのだ。
JAMやセッションというならば聞こえがいいが、やはり「ステージ」としては実にお粗末だった。
正直な話、緩急無く1時間もやってたら見てる側は飽きるだろう。



俺たちはこのステージの上では、芸人なのである。
べつにセッションを楽しみにステージをしている訳ではない。
他のパフォーマーとセッションやJAMで己が楽しんだり技術を向上させる事を否定するつもりは無いが、自分たちの存在は第一にまずお客様を、会場を楽しませるために在るのだ。
前座だろうが大トリだろうがそれに尽きる。
自分たち演者側が「楽しかった」と想うのはきっちりとステージをこなした後に付いて来るものだ。


そういった意味では、ファイヤーパフォーマンスの技術を向上させる事と共に、ステージに立つ上での所作や作法も少なからず身に付けておかなければ、継続的にステージを手に入れることはまずできない様に思えるし、何よりも実力がつかないと想う。


2009年ポイを始め、2010年にステージデビュー。
ジャグリングを始めて今年で10年目になる。
練習する時間もステージ回数もめっきり少なくなってきたが、ステージに立つ以上、プロとしてのパフォーマーでありたい。





○チームの事。
一人で今回のステージをやれと言われていたらきっと無理だったであろう。
このステージをしっかりと出来たのは、やはりチームだったからだと想う。
技術的に能力の高い人、華のある女性パフォーマー、道具を作れる人、計画を立てれる人、仲間をまとめてくれる人、交渉してくれる人。
色々な個性がお互いをカバーするように寄り添ったから成り立ったと感じる。


チームは個人のモノに非ず。


視かたを変えると、チームがあるからと自分一人だけ楽をする訳にはいかなくなる。
己がチームの屋台骨の一部と考えれば、全力を出さずして美味しい所だけをとるようなマネは絶対にできないし、そんなチームではすぐに瓦解してしまうと想う。


広島ポイ部はステージ毎に何かしらを持ち寄ってくれる良いチームだ。
願わくば個々の能力を最大限に引き出してより高みへと目指していけるようになりたい。
皆本業は勤め人のサラリーマンだが、その裏ではステージに華を添える芸人という人間。
見どころによっては中途半端に想えるかもしれないが、そんな奴が居てもいいと想うし、なによりも後をついて来てくれる人にとっては夢があって良いじゃないか。


今日のステージは最高だった。
だが完璧とは程遠い。
また完璧を目指し、今日は最高だったと想えるようになろう。
完璧のない世界で苦しむかもしれないが、それもまた一興。