3年前の今日は何をしていただろうか?
つまらない仕事をグダグダやっていたら、同僚の人から大地震があったと聞かされた。
幸いにも住んでいる西日本にほとんど影響はなく、それ以外はいたって普通の生活だったが、帰宅してテレビをつけると、どのチャンネルも津波で流され、燃えていく街を映し出していた。
あまりにも非現実的で、まるで良く出来たパニック映画のワンシーンのようだった。
その後、安全安心と言われていた原子力発電所が、つまらないギャグアニメに出てくる様なふざけた爆発っぷりで吹き飛んだ。
ニンゲン様の誇る文明とやらはこうもあっけないものだったのだ。
その後、高速道路のサービスエリアで自衛隊が北を目指していたのを見た。
ああ、あれは現実なんだなぁとそこで初めて想った。
せいぜいできたことと言えば、コンビニで出たお釣りを募金箱に詰めたことくらいだろうか。
そして、今日。
いつものように朝起きて、仕事へ行く。いつものつまらない仕事だ。
3月11日だからこそなのだろうか、この日に合わせて社員全員参加の防災訓練が行われた。
巨大地震と津波を想定し、整列して屋外まで出る小学校から続くお馴染みのやり方だ。
家に帰ってテレビをつけてみると、震災で生きた死んだの特番が流れている。
ざっと番組を回してみると地震津波の被害想定はよくやっていたが、原発がぶっ飛んだ時の想定はしていなかったなぁ。
いずれ来るだろうと言われている大地震。
本当に来るのか否か。
3年後の今日。
もしかすると、目の前に絶望が大きく横たわっているかもしれない。
大きな闇がぽっかりと口を開けているかもしれない。
ボタボタとその穴に堕ちていくんだ。
あの看板はこの時も掲げられているのかな?
特番で地震が起きた時の対処法は流していたが、それが使えるかどうかはそいつの運次第だ。
『想定外』。
解っちゃいるよ、『想定外』。
そんなもん、生きてりゃしょっちゅうだ。
何処の誰が明日まで生きていられることを『想定』してくれるのか?
『ただちに影響はありません』?
俺は右でも、左でも、反対でも、賛成でもない。
せめて、今日この日だけでも生き延びる準備くらいはしておこう。
もし、足元に絶望が転がってきたら大爆笑して蹴り飛ばし、生き延びてやろう。