蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

Tough & Wilde

車には一本の三脚を常設している。
普段は三脚を使わないタイプの写真撮影がほとんどなのだが、時として三脚を必要になり、常設している三脚にお世話になっていた。
その三脚は、D4クラスのカメラを軽々と保持できるなかなか屈強な三脚で、長年使っているものだった。


先日の追突事故の衝撃で、車のフレームは曲がり、リヤガラスが粉砕した。
前回の記事の写真を見てもらったら、その衝撃の凄さを物語っていると思う。


高速道路で警察の実況検分が終わるのをガードレールの外側で傍観していると、警察がある物を小脇に抱え近寄ってきた。
「これおたくのものじゃないですかね?」


それは、車に常駐させていた愛用の三脚だった。
事故の衝撃で道路上に投げ出されていたのだ。





マグネシウム合金とカーボンのボディはアスファルトに投げ出された衝撃で、通常使用では絶対に付くことがないような傷があちこちについていた。ブランド名と型式の書かれた銘板も外れ、どこかに行っている。


俺はボロボロになったことよりも、行方不明にならず自分の手元に戻ってきたことの方が嬉しかった。
しかも三脚としての致命的な損傷は無く、使う分には全く持って問題が無かったのに更なる喜びを覚えたのだ。


ボロボロになってもまだいける。
この三脚は縁起物だ。