蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

革細工 火熾師収納袋

親友の麻実の自宅からずいぶん昔に母親が購入したという半裁の革が二枚ほど出てきたらしい。断捨離で色々な物を処分していく中で発見し、単純に捨ててしまうのはなんだかもったいないので引き取ってくれる人はいないかを検討したときに真っ先に俺に声を掛けてくれた。

写真で送られてきた感じで見ると酷いカビがあるわけでもボロボロになっているわけでもなさそうだったので、普段あまり使わないタイプの素材だったが、格安で提供を提案されて快諾した。

それが4月中旬の頃で、端切れとは言えないほどの大きさだったのでかねてより考えていたスノーピークの火熾師用(チャコールスターター)の収納袋を作ってみた。

 

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ペラペラのナイロン製のものが収納袋として付属していたが、火熾師本体の頑丈な造りと比べて貧弱そうで、いまいちだった。

油汚れでべたべたになるようなものでもないし、本革で収納袋を作れば、頑丈な本体に見合うものになるのではないかという考えだった。

構成は贅沢に切り出した一枚側で、いたってシンプルな造りに。

本体の構成は付属していた収納袋と同じ雰囲気。

火熾師本体への固定はジャンパーホックで頑丈に固定できるように再デザイン。

素材が違うだけで見違える雰囲気になったな。

いつものロゴはヌメ革のパッチを当てて取り付け。

この革パッチも単純に正方形に切っただけの物を張り付けてもパンチが無いので、手持ちの端切れをそのまま利用した。

本当はこんなガタガタの端面なんかはうまい事利用することが難しく捨ててしまうのだけれどね。

この端面部分も見方に寄れば一期一会の部分、たまにはこういう使い方も面白い。

お陰で完全一品物で、少しワイルドな雰囲気を演出する収納袋が完成した。

はたして使い込んでいくうちにどういう経年変化が現れるだろうか、少し楽しみだ。

廃盤になってしまった火熾師だが、今なお我が家では現役のアイテム。

武骨で重く一概に持ち運びが容易で使い勝手がいいとは言えないが、きっちりと炭に火を付けてくれるし、使い方によっては簡易焚火台みたいな使い方も出来てこれからも永く愛用していくであろうアイテムだ。

購入して10年以上にはなるが、ようやくオリジナリティの高い収納袋に包むことが出来た。

これからも作った収納袋と共に大切に使って行こうと想う。

 

 

買い取った革の事。

どういったものかは麻実本人もわかっていなかったが、床面に記載された印章をみると兵庫県のものでれっきとした日本で鞣された革だった。

一枚は牛革のクロム鞣しで今回使ったチョコレート色の物。厚みは1mmくらい。

もう一枚も牛革のクロム鞣しで薄茶色の物。こちらは薄く0.5mmくらいの厚さだった。

どれちらも半裁で購入されていて、使った痕跡があるが綺麗に端から使っていて6割から8割は使われず残っており、およそ端切れとは言えないほどの大きさだった。

普段はタンニンなめしの厚い革を使う事が多いので、好んで購入するタイプの革ではないが、銀面も全くと言っていいほど傷んでいないし、かび臭いわけでも無いのでとてもいい買い物だったように想える。今回の大判ケースなど大胆な裁断で使うには丁度良さそうだった。

簡単なポーチなんか作ってみると案外いい感じになりそう。

無駄なく大切に使わせてもらいます。