蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

NEW WEAPON 2020 ミクロの決死圏 VIXEN SC-600

忘れられ、奥深くに眠りについた古い古い兵装。

常世の闇から掘り起こされる・・・。

黒く輝く鏡筒は新たな境地の開拓者となれるのか!?

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正月に嫁さんの実家に立ち寄った時に顕微鏡の話になり、嫁さんが子供の頃に親から買ってもらったという顕微鏡を掘り起こしてもらった。

なんと、メイドインジャパンビクセン製。

ビクセンと言えば国内で望遠鏡を製造する名だたる総合光学機器メーカーだ。

知育玩具とは言え、今時の安物中華製とは違い、非常に丁寧な仕上がりで堅牢で造りをしている。

小学生の理科の実験で使った顕微鏡そのものだった。

顕微鏡で見る世界は好きだったし、もはや死蔵品の状態だったので譲り受けた。

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保存状態が非常に良かったという事もあり、綺麗に拭き上げたら新品同様になった。

で、カメラ好きとしては何とかこれを利用して写真撮影できないかとネットサーフィンをしていると・・・。

在ったんだなぁ・・・アダプターが。それもニコンFマウント対応。

カメラの大御所で歴史あるFマウント。

ニコンを使っていてよかったとつくづく思ったわ。

なによりも製造メーカーがビクセン。30年近く昔の物なのだが、ほぼ同型のものを今でも販売している。望遠鏡と同じで大きな変化が少ないから、現役のアダプターが使えるという算段だ。

で、こんな感じ。

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カメラはZ50を購入してから主戦場を離れたNikon1 V3をFマウントアダプターを介してセッティング。

室内・昼夜問わず撮影できるようにライティング撮影用のLED照明を灯して反射鏡に当てると、綺麗に観察が出来る。

撮影方法は望遠鏡と同じで接眼レンズの光をセンサーに投影させるリレーレンズ方式だ。

全体的にコンパクトなのでパソコン机の上に置いて撮影したその場でUSBを介して転送。サンプルさえ採取しておけば、あとは快適な環境でゆっくり撮影するだけだ。雪山に登って撮影なんかと比較すると何と楽なことか。

ええやん。ええやん。

で、撮影開始。

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とりあえず、身の回りの物を観察。

これは塩の結晶。

被写界深度が浅いのでピントが合う面が狭い。

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革細工で使っている、貝殻の加工品の表面を観察。

おー、ミクロの小宇宙や!!

ここで、よく見ると、小さな点々が・・・。

これセンサーに付着したゴミ。対物レンズの直径と焦点距離から計算すると恐ろしくF値が大きくなるため、センサーの汚れが如実に目立つようになってしまった。F値75くらいだもんなぁ。

カメラのレンズを装着してF11まで絞っても全く出ないんだけど・・・。

とりあえず、無水エタノールを購入しセンサーを拭き上げて清掃。

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顕微鏡に付属していたグミの木のりん毛を撮影。

天体観測用のRegestaxを利用して画像の解析をしてみた結果がこれ。

目立ったゴミも清掃で綺麗になってよかったわ。

本格的なカメラのレンズや望遠鏡と比べると収差が大きく知育玩具としての限界があるが、何はともあれ50~600倍の拡大撮影が手軽にできるので、新たなる写真表現の境地と言えるだろう。

顕微鏡写真用の焦点深度合成ができるソフトもダウンロードしたのでいろいろ試してみる予定。

ここでも焦点距離を2.7倍にするNikon1 V3の強みが活かされそうだ。

APS-CフォーマットのZ50より対象を拡大して撮影できるし、何よりも圧倒的軽さと小ささの為、顕微鏡とのマッチングも良い。チルトモニタでの観察も口径の小さな接眼レンズで見るより遥かに見やすいし、顕微鏡撮影や観察ではとトータルバランスで優れている。

月や太陽の観察にはこの1インチフォーマットの方が優位性が高いので大切に保管する方針だった。

Z50の導入の際には、レンズも併せて下取りに出すか悩んだが、手放さなくてよかったわ。

 

夏休みの自由研究は勝ったも同然だな。

 まぁ、最近はUSB接続で手軽に顕微鏡撮影が出来る知育玩具が世の中に出回っているんだけどね。

古い機材でもしっかりしたものだと余裕で使えるんだよ、ということで。

今年の写創蔵の会員展はミクロ撮影にしてみよう。

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さぁ!お前の細胞を観察してやろうか!?

 

  

 

ikazuti-d.hatenablog.com

 

登山で使っていた時期が長く、滴った汗で接点カバーのヒンジが錆付いた挙句、メモリーカードが抜けなくなった。

恐らくメモリーカードを押し出すスプリングが錆びてしまったと思われる。

それにあちこち擦れてグリップのゴムも一部剥げかけていたりする。

そろそろ意を決してオーバーホールに出しとこうかなぁ。