先週の休み。
例の如く、引越しの段取りで山口に戻っていた。
段取りもそこそこに、徳山に呑みに出た。
楽しく笑って、馬鹿騒ぎ。
結局朝まで寝ずに遊んでいた。
久々に心から楽しんだ。
朝一の電車で帰り、アパートまでタクシーで帰った。
そのタクシーの運ちゃんと話をした。
この時期、話の内容はいつも同じだ。
「大変なことになったね〜」
タクシーの運ちゃんが話しかける。
「まったく、東の地震の影響でこっちも不景気だ。ろくでもねぇ。日本全体が『自粛』の言葉で縮こまって、どこに行っても面白くねぇ話ばかりだね。」
眠い頭のまま、タクシーの運ちゃんの話に付き合う。
「桑の山の桜も、燈籠が並んで花見に備えていたんだけど、やっぱり『自粛』とかで全部取っ払われちまった。」
通りの桑の山の桜は桃色に染まっていた。
「不景気に拍車をかけてるよ。」
桜を見ながらそう答えた。
「東北の酒造は困ってるよ。」
最近の話題だ。
「原発もとんでもないことになったね。アレがなければまだ地震だけの被害だったのに。アレのせいで被害がもっと広まってぐちゃぐちゃよ。」
「まったくですよ。」
「上関もやめてもらいたいね。何かあったときのことを考えるとやっぱり怖い。目の前の祝島の人たちも気が気じゃないじゃろうよ。あそこも、いま揉めてるよねぇ・・・。」
運ちゃんが耳慣れた言葉を口にする。
「俺もやめて欲しいですよ。」
ふと、この前撮った写真を想い出した。
さびれっちまうのは、寂しいもんよ。
