蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

NEW WEAPON 2024 双眼鏡 KOWA YF30-8

【KOWA YF30-8】

天体観測で、手軽に観測できるもっと何か良い物が無いかなぁ、と考えていきついたのが双眼鏡。

南天文同好会の人も寝そべって双眼鏡を覗いていたし、周天会長もちょっとした観測には双眼鏡を持ち出していた。

今所有している双眼鏡は、義父より誕生日プレゼントで貰ったニコンの小型双眼鏡で、登山で周辺を観察するのに重宝している。

小型軽量という事もあって、登山標準装備としてザックに常に携帯して愛用している一品だ。

 

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山座同定には向いているが、小型ゆえ倍率が4倍と星見には少々力不足。

かといって10倍20倍などと倍率だけ謳ったどこぞの格安品を買うのも安物買いの銭失いでリスキーだなと思っていた。

双眼鏡の事をいろいろ調べたところ、天体観測には6倍から8倍が良いとの事だったが、使用頻度のこともありピンキリあってなかなか購入には二の足を踏んだ。

愛用するNikon製でもエントリーモデルで良さそうなのがラインナップにあったりしたが、まぁまぁいい値段がする。

双眼鏡の実物を色々と持ち比べて調べるには近場にそんなお店なんてないし、と思っていたら閃いた。

 

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ここだ。

周南市に古くからある中古カメラショップ『カメランド』。

取り敢えず入門機を買って考えても良かったのだが、現物が置いてある可能性が高いので立ち寄ってみたら・・・。あったよ。しかも、大量に・・・。相変わらず乱雑に棚に陳列されていて、適当なものを順番に手に取って覗いてみる。

うーん。視界が黄ばんでいるぞ。なんか収差もひどい。次。

うーん。持った瞬間、あちこち傷ついている。なんか汚い。次。

うーん。これも視界が霞んで黄ばんでいる。対物レンズを見ればカビだらけ。次

うーん・・・。

陳列されている双眼鏡を触っていると、棚の後ろからオヤジさんが、

「こっちにイイのが入ってきている。」

と、声をかけてきた。

「最近は天体観測で双眼鏡での観察が流行っているらしいじゃないか。」

無造作に取り出した二本の双眼鏡。

まず手渡してくれたのはNikon製の双眼鏡だった。

覗いてみる。

視界がクリヤ。遠くを見ても収差が無い。倍率は10倍。ずっしりと重い。

棚に置かれてあったものと比べると圧倒的に良い。

が、対物レンズから奥を覗くとプリズムに黒い影アリ。

「そりゃ、元値も高いし状態が良いんで18000円くらいだな。あっちの棚の奴は2~3000円で難ありのもんだ。」

「そのもう一つの方は?」

そう聞いて、差し替えるように次の双眼鏡を手に取った。

ロゴにはKOWAの文字。聞きなれないな。

よく見ればmade in Chinaの文字。

でも、KOWA JAPANと書いているから日本のメーカーなんだろうな。

接眼レンズを覗くと、先ほど見たNikonの双眼鏡よりもクリアで像に立体感がある。

素人目で見ても、良く見えるなという印象だった。

手に持ってみたところ、ほとんど未使用品のような状態。

レンズを覗いても傷もカビも曇も無いド新品。

店内から見える遠景を覗きながらピントリングを回し操作する。

動きもスムーズだ。

聞いたことも無いメーカーだが、作りはかなりしっかりしているな。

流れの激しい中古市場。

いちいち帰って調べるのは一期一会を逃すか、それともハズレくじを引くか・・・。

双眼鏡で周囲を探索しながら、

「これ、いくらッスか?」

と尋ねてみる。

「うーん、13000・・・12000・・・。」

まだ値段決めてないのか。相変わらず適当だな。

事前情報も無しなので相場がいくらかは分からないが、良いなと思っていたエントリーモデルのNikonの双眼鏡が20000円前半だった。まともなメーカーだと、軒並みそんなもんだったが・・・。

オヤジの徐々に値段を下げていく論法を疑う。

「あ~・・・」

ちょっとためらってみると、

「まぁ、10000円でいいや。」

と言ってくる。もっと安いんだろうなぁと内心思いつつ、ほぼ新品同様という事もあって、潔く10000円を払う事にした。

【8×30 7.5°  倍率8倍 口径30mm 実視界7.5°】

調べてみたら、興和オプトロニクスという創業60年の老舗の日本光学メーカー。

すでにこの型式の物は廃盤で後継機種の新品販売価格は18000円だった。

同型式の最終実勢価格は7000円程度だったが、それももう何年も前の話で今は手に入らない。

どうせ新品を18000円から20000円で買うつもりだったと考えれば安かったと思おうかな。

見た目も中古とは思えないA級品だし。

 

軽くネットでレビューを調べても、軒並み評価は高かった。

防水仕様だし、スペックも星見や周囲の観察には丁度良いサイズだろう。

何しろ重量も500g程度だし持ち出しやすい感じだ。

 

何より赤色ロゴとデザインが好み。

現行品の本体色はカーキだったし、光学機器は黒に限る。

子供と一緒だったので長居は出来なかったが、気になるアイテムが数点あったのでまた近いうちに立ち寄ってみようと想う。

 

軽く店内を見回しているとオヤジさんが

「これなんかどうだ?」

と机の上に置いてある大きな木箱をくるりと回し、扉を開けてこちらに見せてきた。

Nikon製の顕微鏡。フルセットだ。5000円で買い取ってくれ。」

研究所で使っていたような、なかなかの美品だったが、

「俺、ビクセンの顕微鏡すでに持ってるんで・・・。」

と、丁重に断った。

「すごい重いので発送料ばかり掛かっていまいちなんだわ。まぁ、今度また話にでも来てよ。」

そのままの姿で双眼鏡を持ち帰った。

 

エントリーモデルらしく、持ち出しやすい大きさ。

それでいて、しっかりと遠くが見える。

双眼鏡もピンキリで、鳥などの観察対象から、海洋事業用のプロユースと幅が広い。

高級機がどのような見え方をするかを実際に見比べる事は出来ないが、視野も広く像に立体感があって見えやすいというのがとりあえず家のベランダから色々眺めてみて思った感想。

レンズに曇りもカビも、本体には傷一つない状態だったので、いい買い物が出来たと想う。

 

これから夜も長く、空気が冷えて天体観測にいい季節になってくる。

なかなか機材を広げて天体観測ってのも少し難しいので、双眼鏡で楽しんでみるかな。

 

 

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