蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録 春のロングツーリング編 火の国の章 4

キャンプ場に夜の帳が訪れる。

キャンプ場展望台へ夕日を撮影しようとしたが、風呂から帰宅するのが遅くて、間に合わなかった。

キャンプ場へ帰ってきたときに、キャンプ場管理人から、一緒にバーベキューをやらないかとお誘いを受けた。
管理人の友人とその同僚とでバーベキューをやる予定だったのだが、同僚にドタキャンされて食材があまりそうで困っているとのこと。
同じくキャンプ場に滞在するバイクキャンパーの方と一緒に宴会をすることになった。

五ヶ瀬の里の管理人さん、この地で農業を営む若い夫婦、長ちゃんとシホさん。
そして佐賀からのバイク旅人のジンさん。
お互いの旅話や、ここ宮崎の話、いろいろな話題を持ち寄りながらの宴会。


長チャンとシホさんは京都からここへ移住し、農業を始めたそうだ。
年も俺と同じくらいだ。
俺も同年代の友人に農業をやっている人がいるので、苦労話や彼らにお世話になっているような話をしていた。
そんな中、ふと俺が放った言葉・・・。
「山口に住む友人で、名古屋から移住してきて農業やっているサラポとまゆって夫婦がいて・・・」
その一言に長チャン、シホさん夫妻は反応!
「それ!友達やし!!」


ええ〜!!なんじゃいそりゃ〜!!


よくよく話をすると俺の友達の麻実とも友達やし!!

なんでも熊本の萱狩りの仕事で出逢っていたようだ。

世間狭し!!虹の岬祭りとかにも遊びに行ってたみたいだから、ここ数年の間どこかですれ違っていたかもしれないね。
同じ祭り人か〜。
って話のなかでなんと!!シホさんはファイヤーパフォーマーという驚きの新事実!!
やはり、この世界に入ると本人が望む望まざるを関係なくして、同族を引き寄せる・・・。



まったく、不思議な縁があるね。
だから、旅は面白い。面白くて面白くて仕方がない。


そんな、静かで、不思議な出逢いの夜がふける。

空は晴れわたり、なかなかの星もよう。標高も高いのでクリアだ。
なんとなくカメラを地面に置いて、なんとなくピントを合わせ、シャッターを押す。
設定はめちゃくちゃだ。かまわない。
ものぐさな撮影でも、この不思議な夜を俺は写真に残したかったのだ。


朝、夕日を見た展望台から風景を望むと、遠くに山並みが見えた。
左は久住山、右は阿蘇山。昨日は右の阿蘇山の山頂からここまで来たんだ・・・。
昔噴火のときにここから溶岩が噴き出る姿がみえたそうだ。

そして出立。
お世話になった管理人に挨拶をし、バイク旅人のジンさんを見送った。
お互い目的地は真逆。それでもいいんだ。ありがとう。

お気をつけて。良い旅を。また、どこかで逢いましょう。


そして、俺たちは、景勝地高千穂峡へ。

結構早い時間にもかかわらず、景勝地とあって観光客でいっぱいだ。
こういう時にバイクは便利だ。あっさりと到着。駐車場に困ることもない。

渓谷に流れる美しい滝。これを見るだけで、俺は満足。

200tあるという『鬼八の力岩』。
鬼八という悪行を働く鬼が力自慢でブン投げた伝説があるそうだ。
伝説ってどうやってできるんだろう。
実は大昔は『鬼』とか本当にいたんじゃないだろうか。
そんなことをいろいろと想像すると面白いね。

新緑が眩しい。


そしてまた、走り出す。