蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

まやかしの価値

最近、巷で話題になっている『ガチャ』と言う言葉。
ソーシャルゲームでは当たり前のように在る課金システムで、ただ遊ぶのには無料なのだが、無料には無いアイテムを手にしたり、より楽しい思いをしたりするのには一部有料になるシステムだ。
つまり、美味しいところで『ここからは有料です』になってしまうのだ。
スマートフォンが流行しだしてから身の回りでコイツをやっている人間が多数居る。スマートフォンは電話ではなくゲーム機なのだ。




「お前をゲームに紹介したら、俺にレアアイテムが手に入るからお前も登録しろ。」



その言葉には俺と一緒にゲームをして愉しみたいという気は無いようだ。
こうやって、人々はその曖昧な義理人情で、一回100円から300円という罪悪感の無い値段の『ガチャ』なるシステムに次々と投資し、小さな液晶の中の世界に没頭していくのだ。




『ガチャ』という言葉は俺が幼少の頃よりあった。
あの頃は『ガチャガチャ』などと呼ばれており、やはり一回100円から300円程度した。
自動販売機に100円を投入し、ハンドルを『ガチャリ』回すと丸いカプセルが出てくる。その中にはゴムで出来たキャラクター人形が詰まっており、その人形をコレクションしては『また雑魚が当たった。』だの『レアなキャラクターが当たった』だの愉しんでいたものだ。
いまでもスーパーの一角にさびれた自販機があったりする。



時は流れ、周りに居る多くの人が現代版に進化した『ガチャ』システムに魅了されているようだ。
「ガチャをしてレアアイテムを手に入れないと、相手に勝てない。1回300円。たいした金額じゃない。アイテムを手に入れれば敵を倒せ、より楽しめる。」
その1回300円の小銭を自分の財布から取り出すことは無い。すべて携帯電話代なのだ。





10回『ガチャ』をやれば3000円だ。
11回目には必ず超レアなアイテムが手に入ることになっている。
よし、超レアなアイテムを手に入れたぞ。




















その『アイテム』とやらを本当に手にしているのかい?















『本当に手に入れたものこそ真の価値』


価値観や幸福論は人それぞれで、敢えて俺の価値観や幸福論をここで論ずるつもりは無いが。
よりによって、没頭している輩に、
『カメラやキャンプの機材にそんな大金をだして何になるんだ』と言われる。
いやはや、ご忠告痛み入る。
もはや開いた口が塞がらない。




今更、まやかしだったことに気付いても遅い。
正直ニュースで話題になって、『何を今更』だ。
サービスを提供する企業は早々と撤退を決め込んでいる様子だ。



知らぬ存ぜぬ我関せず。
開けてびっくり請求書。




このまやかしに気付けないほど『価値』は曖昧になってしまったのか。





『ガチャ利用しすぎで50万円の請求』




このろくでもない、素晴らしき世界に乾杯。