蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

岩に刻む


右田ヶ岳、天徳寺ルートの岩肌を昇っていくと3合目付近までの間に仏様やお経が刻まれた岩が無数にある。
息を切らして見上げた自然岩に荘厳に掘られている様を見つめると、不気味さと神秘さが醸し出されているかのように想える。


3合目付近、山頂まではまだまだ序盤戦。
それまででも結構きつい坂が連続し足腰にこたえる場所だ。
この石仏はどう見ても掘ったものを据え付けたわけではないし、この地に赴いて一つ一つ手作業で掘り込んだことを想うと感慨深いものがある。


息を切らし、劣化した体力で登っているため、なかなか撮影対象としてのアングルや構成を練るほどの余裕がなく肩を大きく揺らしながらのゆとりのない撮影だが、静かに向き合うことが出来たならば、今よりも体力や登山に対するゆとりが持てていることになるのだろうか?


10月1日。

外は大雨。大気は安定さを欠き、時折遠雷が聞こえる。
岩に刻まれた仏は今日も街を見下ろしているのだろう。