まだ誰も通っていない道。
雪に埋もれた道は危険なのか、まったくと言っていいほど誰も通っていない。
誰もいない。
静まり返った白い世界が目の前に広がっている。
ゆっくりとアクセルを踏み込む。
深雪に覆われた道を徐々にスピードを上げて突き進む。
激しく雪をかき分け、雪吹雪を舞い起こしながら疾走する。
車内には
「ゴゴゴゴゴ・・・」と雪を踏みしめるような、かき分ける様な不気味な音が鳴り響く。
スタッドレスを履いているとはいえ、そこそこスピードを出すと、ABSやDSC(横滑り防止機能)が豪快に作動する。その度にブレーキやステアリングがキリキリと音を立てる。
それでもディーゼルエンジン特有の大トルクが、車体をもたつかせることなくバリバリと進ませ、先端の補助機能が乱れた進路を正確に補正してくれる。
これは、最高のアトラクションだ。