蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

NEW WEAPON 2023 肥後守

軽くてそこそこ小さいが刃渡りがまずまずあって、アウトドア向けな刃物が何かないかなぁと、ここ数回のデイキャンプを通して考えていた。

どちらかと言えば料理とかにも向いて、ちょっとしたものなら簡単に切れる、そんな感じのもの。

もうスノーピークのまな板に収まった包丁持って行けと言う話なんだけど、最近はブッシュクラフト風になっているので、現状、このケースに収まる感じの刃物が良かったのだ。

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このケースに入る装備一式のうちにはオルファのクラフトナイフを収めていて、大きな不満がないのは事実だったのだが、ふとアウトドアショップで『オピネル』というメーカーのアウトドア向けのフォールディングナイフ(折り畳み式の刃物)を目にして、これいいじゃんとなった。

実際に、何処のアウトドアショップにも置いてあってしばしば目にすることがあり、千数百円くらいの値段だったので衝動買いしそうになったのだが、その場は購入することはせずに買いたい気持ちだけを持って帰ったのだった。

そのオピネルのナイフを調べていると、買ってから研がないと切れ味が出ないとか、水に濡れると木製のグリップが膨らんで折りたたんだ刃が出ない、油付けして防水処理をするんだ、とかのわりかしネガティブな情報を見聞し、さらには「それがいいのだ。」みたいな風潮がちらほらあったので、一気に気持ちが冷めてしまった。

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工業製量産品ならまともに目的を達成できるような状態にしとけと言う話。

使い込んで良さや味が出るのは確かに愛着も湧いて良いのだが、それ以前に新品で使い始める前から手入れをせねばならんのは如何なものかと常々思っている。

そんなこんなで、その場で衝動買いしなくて良かった。

切れ味が悪かったり、洗う時に持ち手を濡らしてしまっただけで開かなくなったとかなったらカチ切れてたわ。

やっぱり下調べは大事である。

そんなことを調べていると、ふと目についたのは、上の写真の『肥後守(ひごのかみ)』である。

いや確かにあったね。実家で見たことあるわ。

この名前は聞いたことがある人はそこそこ多いのではないだろうか。

巷では『和製オピネル』なんて言われているのだが、色々と調べているうちに圧倒的にこっちがいいじゃんとなった。

ある一定の世代以上になるとなじみ深いアイテムの一つだろう。

昔は鉛筆削りなんてものが無かった時代、子供の筆箱には必ず入っていて、鉛筆を削ったり竹とんぼ等の遊び道具を作ったりしていたらしい。その後、子供に刃物を持たせるのはどうかという世論になったり、鉛筆削りの台頭、カッターナイフなどの利便性の高い製品が出回ったりしたことで肥後守は一気に廃れ、今は唯一兵庫県にある『永尾かね駒製作所』が商標登録『肥後守定かね駒』の銘で製造販売している。

この『肥後守』よくよく調べてみれば刃には『青紙』というクロムとタングステンを含有した硬度の高い金属を粘りのある金属で包んで叩き上げ、研ぎ出した金属を使っており、昔ながらの日本にある刀鍛冶と同様の工法で作られている。

炭素鋼で作られている高級包丁も同様の造りだ。

刃を見れば、その境界線が見て取れる。

刃には『青紙割込』の刻印でその製法を表している。

機械仕上げとは言え、刃先は真っ直ぐでキンキンに研がれていて、いきなり切れ味は抜群。上手い人が砥石で研げばさらに切れ味は増すだろう。

オピネルと比べてみると、こちらの方が『刃物』としても『道具』としても完成度は高く魅力的だったので、価格は安いものの個人的には満足度は高い買い物が出来た。

そして価格も2千円程度で色々な種類がある様なので、もう一回り小さいものもゲット(爆)

先程の炭素鋼材とは違い、V金10号という最高級ステンレス鋼材の一つで高級包丁にも使われている素材が刃に使用されている『VG10割込み』と言う仕様。

錆びにくいステンレスは炭素鋼材より切れ味が悪いとされてきてたのだが、その炭素鋼材とステンレス材の長所両方を兼ね備えた素材がV金10号らしい。

こちらも『割込構造』でよく見れば刃先に僅かに色の違い(波紋)がある。

 

金属も調べれは奥が深いなぁ・・・。調べれば調べるほど沼にはまりそう。

錆びにくいという事を考えれば、アウトドア用品向けなのはこちらのステンレス製になるな。

で。

で、ですよ・・・。

 

 

鞘を積層強化木にしたモデル。

なんだよ、積層強化木ってよ~。

惹かれるぜぇ・・・。

 

何でも、重ねて接着した木を加熱圧縮した材料で、耐久性に優れ食器洗浄器での洗浄や乾燥も可能で強度も高く折れ難いのが特徴の素材とのこと。

接着剤を含浸させているので耐水性もアップしており、まことアウトドア向けじゃないですか。

痺れる〜。

 

3種類のカラーがあったが一番落ち着いた感じのくるみにしてみた。(爆)

もはやコレクター(笑)

これが一番アウトドアに馴染みそう。

これ一本にしとけよという無粋な事は今は置いておこう。後から知ったんです。

アウトドアショップならこれを店舗に並べれば大うけしそうなんだけど・・・。

こんなモデルが肥後守のラインナップにあるとはつゆ知らず。

肥後守のロゴ部分はガンダムマーカーを流し込んで目立つように彩色してみた。

むふふ。

刃は、錆びにくいV金10号。

サイトの紹介もそっけない感じだけど、昨今のアウトドアブームにはもってこいのデザインと機能じゃなかろうか。

『V金10号積層強化木肥後守定かね駒』ってだけでもう強そう。

なんか汎用ヒト型決戦兵器みたいでエヴァっぽい。むしろ卍解か。

むふふ。

写真で撮ったら大きさがイマイチ分かり辛いが、500円玉と比べると手で収まる大きさ。

刃の長さも欲しいサイズ感だったので、久しぶりに納得のいく良い買い物した感がある。

良い金属を使っているのであとは使い込んでみるだけだな。

 

www.higonokami.jp

 

意外にも、実家の奥にある道具箱とかにも未だにあったりしてね。

近いうちに革細工で専用ケースをこしらえてみるかな。