近所の、学校の校門の目の前に看板の無い商店がある。
シャッターが開いていても、西日除けにスモークを貼っていることもあって、目と鼻の先にありながら店としてやっているのは知らないままだった。
気付いたのはコロナ禍で長期休業となって近所を散歩していた時の事だ。
子供たちがお菓子片手に店を出てきたのを発見して、商店なんだと気付いた。
それ以来、学童の迎えの時は子供と立ち寄り駄菓子を買っている。
古びた店内はお世辞にも品揃えが良いとは言えず閑散としており、僅かな日用品と駄菓子、それと小学生向けのノートや文房具が並ぶ。
駄菓子は子供の小遣いで帰る価格帯ばかりで良心的だ。
そんな商店のレジに置かれている年季の入った算盤があまりも印象的だったので店主のおじいさんに許可をもらって一枚撮影させてもらった。
なんでも50年以上使っている物だそうだ。
これはこれは。
オン(1)とオフ(0)の組み合わせ(二進数)で演算する算盤。
世界で最も古いデジタル機器であると言っても過言ではないと思っている。