蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

この感情は義憤でも愛国でも無く、憂国なんだと思う。

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今日、久々に山へ駆け上った。この事は改めて書こうと思う。

今日は感情が昂ぶる出来事があったので、今ここに記さねばならぬのと強く思ったのだ。

 

 

会社から市議会議員が輩出されている。

市と会社のパイプ役や組合活動なんかの関係なんだろう。

定例報告という名目で会社のメールにその議員の活動内容がつらつらと書かれていたり、思いが書かれていたりしてもっぱら読み飛ばしているのだが、本日受け取ったメールに一抹の怒りに似た感情を掻き立てられた。

 

内容を要約すると、パラリンピック開催の賛辞に始まり、障碍者が努力して頑張る姿は非常に目にみはるものがあるのだと。オリンピックを好き勝手に出歩く理由にするのはお門違いだとも書いてあった。

パラリンピック選手不断の努力から勝ち取った栄光を題材にその努力を讃え、我々もパラリンピック選手を見習ってこのコロナ禍をいかに努力して切り抜けようではないかと話が続く。

この環境の変化について来れない不幸な人は、戦争で例えるならば石が転がっていれば石を拾って投げて戦うとか、竹があれば竹やりを持って戦うとかの工夫が足りなかったのだ。援護爆撃が無い、鉄砲が無いと嘆いている間に環境の変化に取り残されてしまったのだ。

そうならないようにパラリンピック選手を見習って努力し、このコロナ禍を切り抜けようではないかという激励で締めくくられる。

あまりにも殺風景。

割と冗談、脚色抜きに戦争たとえ話あたりからこんな風に書いてあり、読んでいるだけで頭痛がしてきた。

 

はて、選挙前には「よろしくお願いします。よろしくお願いします。」と平伏し頭を垂れて援助を求めているようなお方が、「祖父の代から引き継いだお店が苦境に喘いでいる。なんとか助けてほしい。よろしくお願いします。よろしくお願いします。」と有権者に懇願された時にどのように対処するのかが、まったくもって非常に興味が沸くのである。

よもや、『これはなんと不幸な。店主の努力が足りんのです。努力しましょう。』と叱咤激励してくれるわけではあるまいな?

 

 

Goto事業やオリンピックを強行開催する様を『インパール作戦』と揶揄されていたことが在った。

インパール作戦終戦直後、日本軍が大敗を喫した作戦で『無謀な作戦』『無為無策の戦術』の代名詞で使われる史上最悪の作戦だったりする。

ja.wikipedia.org

 

ウィキペディアが読み物として秀逸なのでぜひ一読してもらいたい。

この事を題材にした児童文学『ビルマの竪琴』は小学校6年の時の読書感想文で読んだのを今でも覚えている。

このインパール作戦を指揮した牟田口廉也中将の訓示に以下のような文言がある。

 

『兵器がない、やれ弾丸がない、食う物がないなどは、戦いを放棄する理由にならぬ。弾丸がなかったら銃剣があるじゃないか。銃剣がなくなれば、腕でいくんじゃ。腕もなくなったら足で蹴れ。足もやられたら口で噛みついて行け。』

 

議員さんの激励にそっくりじゃないか。

この訓示を聞いていた将兵たちは飢餓や負傷、病気で立っているもやっとで、1時間近く続いた訓示に直立しておくことが出来ず、次々と倒れたとある。

退却戦に入ってからも日本軍兵士は飢えに苦しみ、執拗な敵からの攻撃とマラリヤ赤痢を罹った兵士たちは次々に落伍してしまったそうだ。

退却路はその兵士たちの腐乱した死体や白骨が横たわる有様から『白骨街道』と呼ばれ、力尽きた兵士の死体が後続部隊の道しるべになることもあった。

こんなことを、今現代の田舎の小さな町で繰り広げようとするのだろうか・・・。

負傷兵がバタバタと落伍していく有様は市内の飲食店の閉店。

白骨街道は街のアーケード街だ。

碌に手助けもせず、精神論で乗り切ろうと御旗をふるのは市議会議員さんってところだな。

生憎、その隣町に俺は住んでいるので市議会議員の彼には何の影響もない路傍の石コロに等しい身ではあるが、街で営むバーやライブハウス、飲食店などのお店の中には俺を弟分のように可愛がってくれた方が多い。

彼らが苦労している有様はSNSを通じて承知の上なので、この議員の考えに憂慮し、実に看過できないのである。

 

せめて、会社輩出の議員なら社内売店で市内のお店の商品を販売するとか、デリバリー情報等を斡旋して社員に積極的に活用してもらうとかの相互共助の知恵が出なかったのか?

もはや、自分の得票数は社員の組織票で賄えるので、たいした得票にもならない飲食店舗はないがしろに扱っても良いという本性が見え隠れしている気がしてならない。

選挙の時だけお願いし、自分の支持率だけ気にする議員は信頼できないとはまさにこのことだ。

明日仕事が無い人たちはパラリンピックなんて見てる余裕なんてないと思いますぜ議員さん。

メール送付なので当然返信が出来る。

一筆だけ書いて送信ボタンを押してやった。

 

『竹やりで戦え』というような政治にだけはしないでほしい。

 

この言葉をどのようにくみ取ってくれるのか。

議員がどのように返してくるのか、はたまた知らん顔なのか。

くだらん抜かしたら、一市民としてインパール作戦のあたりからコピペして送付してやろうと思う。

 

【追記 2021/9/3】

返答があったのだが、自民党の内紛に話をそらそうと下らんこと抜かしたのでインパール作戦の事を紹介してあげた。こういう風な世の中にしてくれるなよ、と。

『知恵を出してどうにかしよう。』って、そんなもん下っ端は死にもの狂いでやってんだよ。