財布に取り付けている鈴がある。
『GUADIAN BELL』というアメリカのバイク乗りに伝わるお守りの鈴だ。
道路にはバイクに悪戯をして故障や事故を招く悪魔がいて、その魔除けにバイクの一番地面に近いところに設置するという習わしがあるそうだ。
贈り物として贈られると効果が２倍になるとの事で、プレゼントにはうってつけの品物だったりするが、そんなコアなバイク仲間はいないので、もっぱら自分で購入して使っている。
当方が乗るバイクZZR400には地面近いところになんか付けても恰好が良くないし、そもそも付けれそうな場所が無いのでバイクのカギにキーホルダー代わりに付けているのと、普段愛用している財布に付けている。
財布に付けている方は毎日持ち出してぶら下げていることもあってか、いつの間にか音も出なくなったし、しっかりとディテールがあったヘビの姿もすっかりと摩耗して薄れてしまった。
ふとファミレスで食事をしていると、取付け部の摩耗が進行していたのか不意に外れて落ちてしまった。
ありゃりゃ。
そういえば、10年くらい前にもかなり気に入ったデザインの鈴を無くしたんだっけな。ちょっとショックで、同じものをいくら探してもどこにも売っておらず、身代わりになってくれたんだと考えて納得させた。
今回は、なんとかしがみついてくれていたんだろうな。
お疲れさん。
捨てるのも何か勿体ないので部屋の隅にでも飾っておこう。
財布に付ける３代目は派手めの孔雀をあしらった物。
孔雀はその末広がりの姿や、見た目の美しさから縁起物と言われている。
広げた羽には沢山の目のような文様がある為、魔よけとしての意味もあるそうだ。
今は腰元で心地よい鈴の音が鳴り響いている。
