蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

山行記 右田ヶ岳未踏ルート探訪 後編


この道を行けばどうなるものか・・・。
取り敢えず分岐が分からずとも、一度通ったルートを辿るだけになるので特に不安なく進む。


沢を登って行くと、幅の広い本流とは別に支流があるのを発見した。
分岐点には自生する植物の盗掘を禁止する看板と、簡易ベンチ。
この右側が崩落谷のコースになる。
左に曲がるとルートがあるというネットの書き込みを信じて左側の沢を登って行く。


幅は狭い。が、通れない程でもない。斜面に岩。そして流れる水。
雨上がりの直後は水量が増して危険かもしれない。
足を滑らせない様に慎重に沢を進んでいくと、岩壁になった場所に行き着いた。
水も流れているし、登るのは難しいだろうなと辺りを見回すと、その岩壁を巻くように踏み跡があり、残置されたロープを発見した。
どうやらこのルートで正解のようだ。


いくつかの岩壁をパスし、先へ先へと進む。
高度を上げるにつれて谷は深く急峻になってくる。
沢を歩けば濡れた岩場。岩壁を巻けば濡れた大量の落ち葉が歩みを妨害する。
だが、各所に残置されたロープがルートの正解を導いているように感じる。



想った以上に急な谷。深い木々に囲まれて少しだけ不気味だ。
人の往来の多い右田ヶ岳ではどこも明確な踏み跡があるもののこのルートはそれがはっきりとしない。



見渡すと、ピンクテープ。
これを信じるかどうかは自己責任の範疇になるが、そのテープを辿ると何処と無く道が見える。
最近つけられたものだろうか、比較的きれいだ。
地籍調査でも入ったのか?

樹に付けられた「B」の文字。ここは上右田Bコースになるのか?
地図ではこの谷ではないはず・・・。

更に進むと「C」。
うーむ。謎だ。結局のところ「A」は見つけれず、そのままピンクテープを頼りに高度を上げる。


徐々に開けてきた。道が鮮明に見える。


そして目の前には直登の岩山を彷彿とさせる巨岩がそびえた。
これを登るのかと辺りを見回すと、ここには鎖、ロープがあちこちにかけられている。




切り立った岩を慎重に登り、岩の最高点へ。

下を見ると塔の丘の橋が見えた。
あの沢をここまで下ってきたことになる。

下から見た時のあの槍の様な岩の先端に到達したことになるんだね。
我ながらよう来たわ。
沢、急登、樹林帯、そして岩登り。
右田ヶ岳に通い詰め、各種ルートを歩いてみて回ったが、一番変化に富んだルートだと想う。
結構気に入ったかも・・・。

槍の頂で休憩をし、その奥にあるルートを辿ると、塔の丘本ルートの尾根に行き着いた。
場所的な事を言えば、本ルートを移動している時にこの岩へのルートを見つけるのは困難だろう。
また、同じ塔の丘を下るのは面白くないので、いつも下山で使う塚原ルートで下山した。

塚原ルートから山頂を望む。
頻繁に右田ヶ岳を歩いていて、聞き及んだルートは全て踏破したと想っていたが、未だ未踏破のルートと出逢えるとは思ってもおらず。
しかし、本当にルートなのか?残置されたテープやロープの事を考えると人が通れるようになっているので、道としては正解だったのだろうと想う。
そもそも「登山道」と言うのがいかにしてできているのか不明だが、恐らく地籍調査などで通ったルートが「登山道」として開拓されているのではないのだろうか?
あるいは、誰か開拓者がいるのか・・・。
色々と想いふけりながらの下山となった。



往路:直登(直)1時間10分
復路:塔の丘分岐点 1時間
   塔の丘沢遡行分岐点左、槍の岩を目指す。1時間10分
   塔の丘尾根から塚原ルート 40分

塔の丘沢の左分岐はロープ、テープ等目印が多く、比較的簡単に見つけれるため踏み跡は無くともルートは判断しやすい。しかし、右田ヶ岳の他のルートと違い濡れた岩場を登ることになるので滑って転倒などの危険度は高いと思われる。槍の岩の麓に達するまでは急登が続き、足場も悪いのでより慎重な足運びを心がけたい。
ネットでもこのルートに関して詳細な記述に行き着くことが無く、旧道なのか、新道なのかは全くの不明。
こちらの方がメインで、実は崩落谷の方がマイナールートなのか?

迷えば下らず、ひたすら登り詰めれば塔の丘の尾根道に絶対いき当たるので、不安があっても下らず突き進んだ方が安全かもしれない。