蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

運命の刻

会場に降り注ぐ日差しは強く、酷暑の様相だったものの、祈念式典に参列する人の数はとても多く、平日とは思えない人の出だった。

会場を朝から歩き回り、時折暑さに耐えかねて平和公園敷地横のカフェでカメラを片手にビールを傾けていた。
70年前と変わらない太陽。蝉の声。夏の空気。


今は同じ日同じ時刻にもかかわらず、家族連れだったりカップルだったり、何処かお祭りの雰囲気だ。
こういう平和が永く続くことの方が、本当は大切なのだろうと想う。

強い日差しと入道雲の下、国旗は半旗で掲げられ、時折吹く夏風になびいていた。






70年前の日本はどんなだっただろうか。
きっと敗戦の空気の中に写る色は灰色だったに違いない。
俺は、その当時の事をどんな文献で調べても、どんな体験談を聞いてもいわゆる『昔話』と上手くとらえることは出来ないだろう。

それでも、少しでも灰色の時代を想像してみてもいいかもしれない。
いや、少なからず想いを馳せねばならない。


そのための祈りの時間なのだろうから・・・。




平和の鐘は明日も鳴ってくれるのか。