【 忘却された廃品 】
諸事情は割愛させてもらうが、実は引越しを目論んでいる。
引越しは身を軽くしておくと非常に楽だ。
だから今は、身の回りに余計なものが無いかを常に探している。
なぜか電源の入らないクソボロのPC。
聴きもしない古いCD。
卒業したコミックの山。
使い勝手の悪い、お洒落なガラスの天板の机。
古臭い観光マガジン。
伸びきったTシャツや着ることの無い服。
夢を見るために店から貰ったカタログ。
掘り返せば出てくる。
出てきたものにうやむやにして蓋をせず、さっさと捨ててしまう。
結構、部屋も心もすっきりする。
世界標準語の「モッタイナイ」と言う言葉も、捨ててしまったことの罪悪感も、無料廃品回収の小汚い空き地に忘却してしまおう。
必要なものと言えば、実はたいして無く、
生活に必要な白物家電。
四季折々にあわせた数パターンの衣服。
料理をする為の調理器具。
カメラ道具・関係機材。
バイク1台とバイク用品。
無人島でもやっていける程度のキャンプ道具。
スキューバーダイビング機材。
パソコン関係。
革細工の工具一式及び材料。
ジャグリング道具。
・・・いや、意外にあるな。
