蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録2 とも人のまつり 

朝、目が覚める。

目覚まし時計の音ではなく、テントの屋根越しの太陽の光に起こされた。

暑くもなく、寒くもなく。きっと「すがすがしい朝」と言うのはこういうことを言うのかもしれない。

外は、見事に晴れている。


なんとなくボーっとしていたが、米を炊いて昨日の鍋の残り物を利用して朝ごはんを作る。


手元にある具材を煮詰めスープらしきものを作り、

芯が残った米にかけて、リゾットにして食べた。

外で作って食べたせいか、少々米の炊き方がまずくても旨かった。


会場には焚き火の煙が立ち込めている。原始の時代の村のようだ。
洗い場は一つしかなく、皆その一つの洗い場を挨拶を交わしながら譲り合って洗物をしていた。
なかには昨日のショーの話をしたり、まつりであった出来事の話をしたり、取り留めのない日常会話を交わす。
昔の「井戸端会議」ってのはこんな感じなのかな。
なんだかいいよね、こういうの。
昔は水場なんて集落に一箇所しかなかっただろうから、必要な情報なんかはこうやって手に入れていたに違いない。
現代では、絶対にありえない光景。
不思議とこの現代にもそんな光景があったのだ。


そして、今日の一番手のイベントは

パン作り。生地をこねこねして、竹の棒に撒きつける。
そして、村の中心の焚き火場の火に当て、パンを焼く。

去年もやったのだが、面白い!

で、完成。

うーん、うまそう。
生地を作っておけば結構簡単に出来そう。


会場中の大人も、子供も丸くわっかになって、焚き火を囲み、パンを焼いて、食べた。

このまつりで一番楽しいイベントかも。

主催者達が作った人力発電機。車のオルタネーターとバッテリー、自転車を利用して作っていた。
結構ありあわせの部品で出来るんだな。
何でも本部の灯りはこれで充電した電気でまかなっていたそうだ。凄い!



相変わらず、静かでのんびりと、子供達は元気よく外を走り回っている。


いいまつりだ。


夜からは、山口周南市で周防アマゾネスの撮影があるので、昼を過ぎてから村を出た。



テントをたたむ直前にまつりの取り仕切りの方から、お礼にと、焼酎を頂いた。ティピの中の祭壇にお供えしていたものだが、持って行ってくれと手渡してくれた。


熊本の新米焼酎・天草。祭壇にお供えしたのは誰だか一目瞭然だった。


有難く頂戴致します。



別れ惜しくも旅立ちの時。


巡り巡って、


また、此処へ還って来ます。






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