蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録 @桜祭2009

歯車は回り続ける。


狂る 狂る

狂る 狂る


京都の旅から戻ってきて、約4ヶ月の時間が経過した頃の出来事。


バタバタと新しい勤務地・広島での生活が続いている。
クソメンドクサイ仕事。
住み慣れない街で過ごす生活。
唯一「よかったな」と思ったのは、土日がキッチリ休みなところくらいだ。

かねてより交友のあったストークバムの代表・タケさんより山口の美東、大正洞のエコミュージアムでイベントをやるので遊びに来ないかと誘いがあった。

土日が休みなので、快くOKの返事をした。

毎年、やっているイベントで所謂、地域恒例の桜祭だ。
近所のおばあちゃんや、おじいちゃんが出店を目当てに現れる。そんな感じのお祭だ。

それに便乗するカタチで大陸堂のヒロさんがミュージシャンを呼び入れてライブをやったり、夜はレイブパーティーをやったりしている。



桜の時期。
周辺の桜は見事に満開だった。

トークバムのメンバーと挨拶を交わし、一緒にジャグリングの練習をしていた。
俺はストークスティックでお遊び程度。


今日は小春日和。
天気も良く、心地よい風が流れる。


タケさんから、夜は冷え込むのでゲストハウスにストークバムの皆と泊まるようにアドバイスを貰ったが断った。

今日の寝床は桜の木の下。
贅沢だ。

これでいいんだ。これだけで十分。


夜はストークバムのメンバーと闇カレー。
子供が炊いた飯は芯が残ってマズかった。
10合の炊飯ジャーに12合も入れて炊きやがって。

桜祭は夕方に一旦本日の営業は終わった。








だけど、奥のステージから爆音が聞こえる。






電子音。



トリッキーなリズム。


トランスミュージックだ。


いつの間にかDJブースが出来上がっている。



世界は、闇に包まれた。





酒に酔っている俺の脳は、揺らいでいた。



「さあ、はじめようか。」


トークバムが動き出す。



トークバムの炎舞に魅せられて、写真家として追ってきた。
この空気感。
炎の舞。
こんな、危ないこと出来ないけれど、ファインダーを覗き、納めることは出来た。

だから、無心に納めた。


酔っ払って、気がつくとテントの中で目が覚めた。

夜はまだ終わらない。
深夜なのに、爆音は収まらない。
朝まで鳴り続けるのだ。


夜桜を見ながら酒を呑んだ。

桜の下にテントを立て、桜を肴に酒を呑む。
こんな贅沢が、この世のどこにあろうか。


ぼんやりとしたまどろみの中、眠りに落ちた。


翌朝、なり続ける音楽で目が覚める。

ビートは緩やかに、朝の音に鳴っていた。


テントから這い出し、寝袋を干して、湯を沸かしてコーヒーをしばく。



一晩中踊り続けた人たちがべろんべろんになっている。


8時ごろ、音はやんで一瞬でDJブースが消えた。

あの闇はまるで無かったかのように。

また、おばあちゃんやおじいちゃんの地域の桜祭がはじまった。

昨日と同じようにジャグリングの練習。
俺はストークスティックでお遊び程度。
今日も小春日和。


ふと、声を掛けられた。
「ストークバムの人ですか?」
夫婦と小学生くらいの子供、息子さんと娘さん。
その、旦那さんが声を掛けてきた。
「いえいえ、遊びでやってるだけです。」
そう答えると、その一家は、貸し出し用のストークスティックを持ち出して、やり始めた。
俺も、一緒になって遊ぶ。なんとなく身に着けていた簡単な技を教えつつ遊んでいた。
それに、ストークバムの子供達も加わって皆でストークスティックをまわしたりしていた。
「うーん・・・この一家の娘さん、どっかで見たような。」
向こうは、俺のことに関心はなさそうだし、気のせいだろうと考えるのをやめた。



広場の奥のステージから音が流れ始めた。
そうそう、SKATYのライブもあるだよね。
SIVAさんや、サジさん、大陸堂の一家。
当然知った顔ばかりだ。
やっぱり山口は安らぐなぁ。



今日は小春日和。


大陸堂で昼飯にカレーを食べたり、柔らかい日差しの下と芝生の上でごろりとくつろいだり。

のんびりのんびり。


そんな春のお祭の出来事。







歯車は回り続ける。

狂る 狂る

狂る 狂る



大陸堂で手に入れた、「アースディ瀬戸内」のフライヤー。

キーとなる歯車。



歯車は回り続ける。

狂る 狂る

狂る 狂る



偶然のすれ違いは、必然への流れ。



静かに歯車は回り続ける。



今につながる流れの途中。