蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録5 @京都への旅・2009冬

ヤマちゃんに別れを告げ、再び京都へ。
今日向かうところは世界文化遺産比叡山延暦寺

ケーブルカーを使い、延暦寺を目指す。

山の上、と言うこともあってかかなり冷え込んでおり、雪が積もっていた。
フラフラと散策する。やはり閑散期の平日とあってか人が少ない。



周囲は霧が立ち込めて、とても厳格な雰囲気が漂っていた。
フラフラと寒空の文化遺産を満喫し、下山。

S平が明治維新などの歴史好きだったこともあり、新撰組のゆかりの地を訪ねたいということなので同行した。

たどり着いた先は、八木邸といわれる場所。
なんでも新撰組が屯所として使われていた邸宅だそうだ。
お金を払い、中を見学させてもらう。
京都旅行の難点は、訪れる度に入場料やらを払わないといけないことだ。確かに文化遺産を維持・管理する運営費として必要なのだろうが。

おじさんが中から現れて案内してくれる。
日本独特の武家屋敷の8畳くらいの部屋に案内され、丁寧に歴史から何からを色々と説明してくれる。

かつて初代局長の芹沢の乱暴ぶりをみかねた隊士が反乱しこの家で暗殺を実行したこと。
逃げようとした芹沢がつまずいた机。
その騒乱で柱に着いた刀傷。


とても親切で丁寧だ。お金を払った価値はあった。
興味津々のS平は目を輝かせていた。

大河ドラマ新撰組」が放映されている時は2時間待ちが続いてとても忙しかったそうだ。

ふとその案内のおじさんが、
「今日はどちらからおいでになられてのです?」
と、気さくに質問してくる。
「福岡からです。」
と、S平。
「あ、俺は山口から来ました。」
と、俺が発した瞬間。
「!!? 長州から!!??」
(ビクッ!)
いや、俺は『長州』なんぞ一言も発してないぞ。
いやいや、確かに『長州』だけど、なにか??
つーか、『長州藩』は倒幕派。此処は言わば敵陣のど真ん中!?
俺って粛清ですか!!??

「は〜・・・珍しいですなぁ・・・わざわざ長州から・・。」

どうやら、粛清されることは無いようだ。
珍しいのか!?

そんなこんなで、3人で歴史の話をしたり、次の大河ドラマの舞台は『長州』だとかの話をしたり。アットホームな感じで過ごさしてもらった。
きっと、忙しい時にはこんなにアットホームに付き合えなかっただろうな。タイミング、良かったな。

茶菓子と抹茶を頂き、俺とS平はそれぞれの帰路についた。





・・・ゆっくり時間を過ごして、贅沢だったな。
・・・きっと、沢山働いて、沢山お金を貰って、良い所住んで、それだけが贅沢じゃないんだな。




旅の初め、気付いたことが、なんとなく確信に変わった。







「残業なし・休出なし・夜勤なし、ついでに2週間会社に来なくていいよ」といわれた。それを同じくして言われていたことがあった。
「3月から広島で働いて!」

リッチなアパートは半年も住んでいないのに明け渡し。
広島では寮生活なので、買ったばかりの新品家電はほとんど使えず実家送り。
仲良くなって、これからという友人達に別れを告げないといけないこと。(サラリーマンをやっていると会社の人間ばかりと付き合ってしまいがちだが俺はそうではなかった。)
住み慣れた、長州・山口。



かなり、萎えた。


会社と言う組織に、資本主義経済と言う濁流に翻弄された。
「2年間」という期限付きだったが、そんなことよりも翻弄されていることに嫌気が差した。



バイバイ。山口。


(2009年元旦 あさひの里からの風景 より)



歯車が、噛み合い、ゆっくりと回り始める。

狂る 狂る 

狂る 狂る



現在2011年1月。
時計を2年戻した時の出来事。
今につながる、ひとつの分岐点。



歯車が、噛み合い、ゆっくりと回り始める。

狂る 狂る 

狂る 狂る