蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

回顧録 @京都への旅・2009冬

その年の冬に事件が起きた。


リーマンショック」という太平洋を隔てた遥か彼方の資本主義大国で起きた大地震
経済に疎いのでさっぱりだったが、兎に角、ざまあ見ろと中指を立てて馬鹿にしていたら、
その津波が、俺の住む資本主義国「ニッポン」を襲った。


輸出産業に力を入れる企業に勤める正義のサラリーマン・最下層労働者の俺は、あれよあれよと言う間に波に飲まれた。
会社の鳥かごのような寮を出て、贅沢にも少し割高なアパートを借り、「これがリッチな暮らし」と意気揚々。新生活を始めたばかり。
そんなリッチで快適な新しい生活を始めた途端、波に飲まれ、直後に冷たい冬が訪れた。
直前まで朝早く出勤し夜遅く退社。2交代・フル残業・フル休出。クソまじめに労働に勤しんで居たのに突如、「残業なし・休出なし・夜勤なし、ついでに2週間会社に来なくていいよ」といわれた。(2度と会社に来なくていいといわれなくてよかったが。。。)


「なんやねん。それ。」


リッチが一気にビッチになった。


所詮、そんなもんなんだぁ。
と、つくづく感じた。


と言うよりも、何か色々と勘違いしていたことに気付いた。



さて、どうしたものか。



「そうだ。京都へ行こう!」


JRの観光PRのキャッチフレーズそのままだ。


もういいよ。不景気なんか。もう、何も考えるな。俺は自由だ。


地元の親友に連絡して誘い出した。馬鹿だからそいつも快く乗ってくれた。
さすが、俺の親友だ。



その日のうち、適当にバックパックに荷物を詰めて、「少し割高なアパート」から飛び出した。


贅沢に、新幹線なんかを乗って。

ふらりふらり揺られて古都・京都へ。


・・・ハイテクでした。山口の方がもっとボロい。