蒼天遊々な旅

LIFE IS TRAVEL

精神

愛用しているカメラ専用のバックパックがある。
山を登ったり渓流を歩いたりする時にこのバックパックにカメラを入れて写真を撮りに出る。
「LOWEPRO(ロープロ)」というメーカーだ。
愛用のバックはなんと完全防水のソフトバックである。
その防水性はすごいそうだ。

何でも、有名なフォトグラファー(写真家)が北極で撮影中、突如発生した氷の裂け目から海へ転落したそうな。
通常あまりの冷たさに硬直し、そのまま沈んでしまうのだが、そのフォトグラファーはこの完全防水のバックを背負っていたおかげで助かったという。
完全防水がゆえバックの中に水が入らず、バックそのものが浮き袋のような状態になって、海に沈んでしまうのを防いだのだ。しかも大事な機材は無傷。

まぁ、カタログの宣伝文句にしては心を躍らされる。
実際、救命胴衣代わりになるから買ったわけではない。
場合によっては雨の中の撮影もするし、急に雨が降り出したりもする。防水に越したことは無い、という考えだ。確かに手にとると、海に沈みそうに無い無骨さがある。

それよりも、このメーカーのカタログに書かれている一文に心を射抜かれた。

「大切な被写体が滅びつつある中で、長く使えるものを作って何の役に立つのだろうか?」

このメーカーは自然を大事にしている。写真家の多くは自然の中で活動しているからだろう。
モノによっては100%リサイクルで作ったバックなんかもあり、地球環境にダメージを与えない配慮をとっている。
保存・保護団体への支援もおこなっているそうだ。(絶滅危惧種のシロクマの保護など)

素晴らしい「精神」だと思う。うまく言い表せないが、なんかかっこいい。

最近はそういった「精神」がないとだめなんだろうね。
このメーカーのカタログ、なんか大事にしてる。
もちろんバックバックも。

「フォトグラファー」と「カメラマン」
前者は純粋に写真家というアーティスト(芸術家)
後者はテレビ撮影のように誰かの指揮の元、撮影する職人さん

俺は前者でありたい。

そんな「精神」